日本全国10万人の読者の皆さん(←大ウソ)、焦らして申し訳ありませんでした。今日はお待ちかね?サポート・ワーカーを突然離職するに至った経緯を説明します。
でも文章ばかりではつまらないので、雇用主だったハッピーライフ(クサい仮名ですみません)のオフィスの周辺で撮った写真を織り交ぜることにしますね。
最初の写真は、オフィスへ至る道。オフィスはのどかな村のはずれの教会の脇にできたビジネス・センター内にある。
こんなのどかな田舎道の先にビジネス・センターがあるなんて信じられないでしょう!? 右の写真は、突き当たりにある教会。
ハッピーライフは全国あちこちに学習障害者と学習身体障害者の独立生活を支援するためのグループ・ホームやデイ・センターを展開する、支援・介護サービスの提供組織。グロスターシャー(県みたいなもの)にはグループ・ホームが6つあり、グロスターシャー・オフィスはグロスターの町の西にある小さな村の教会の脇に近年できたビジネス・センター内にある。
2月後半のある日、グロスターシャーで働くシニア・サポート・ワーカー6人全員(私を含む)に召集がかかった。
ここで一言説明しておくと、シニア・サポート・ワーカーという肩書きは、現在はもう新たには使われない。ハッピーライフが数年前に別の組織と合併した際に廃止にされたからだ。そのためその肩書きを持つのは、ハッピーライフに10年近く勤めてきた古株のスタッフのみである。週末つまり土日に働いた場合は時給が25%増になるという週末勤務手当(後述)も廃止されたので、合併後は週末手当がつくのは昔の契約で働いているシニアのみとなった。
教会の右手にビジネス・センターへの入口があり、中には右の写真のような平屋の建物が連なっている。
田舎であるにもかかわらず、結構いろんな会社や組織がオフィスを構えていて、空きはほとんどなさそう。
召集の理由は、以下の通り。
・不況でハッピーライフの運営が経済的に苦しくなり、シニア・サポート・ワーカーの肩書きを剥奪せざるを得なくなった。したがって現在シニアとして高い時給(8.74ポンド=1180円)と週末勤務手当をもらっている皆さんは、時給がシニアでないサポート・ワーカーと同じレベル(7.07ポンド=954円)までカットされ、さらに週末勤務手当(25%増の時給)は廃止となる。
・しかしながら突然のことなので、肩書きは今年の4月からただのサポート・ワーカーとなるが、現在の時給と週末勤務手当はこれから2年間は継続し、2013年3月末日をもって廃止とする。
・皆さんには二つのオプションのうちひとつを選択してもらうことになる。
①今年3月末の解雇を受け入れる。その場合は解雇手当が支給される。
②4月からただのサポート・ワーカーとなること、2年後の4月から時給が下がって週末勤務手当が廃止になることを受け入れ、新しい雇用契約にサインする。
2年後の3月で退職した場合は解雇手当は支給されない。
私達シニア・サポート・ワーカーは2週間考える時間を与えられ、その日はお開きとなった。
2週間後、またオフィスに集められたシニアたち。その日は素晴らしい天気だったので、私は小一時間ほど早く着くよう家を出、ミーティング前に周辺を、写真を撮りながら散歩した。左の写真は近くの大きな池、右は田舎道の三叉路に立っていた道標。
私はどうせ非常勤で根無し草の身だから、②でいいと最初は思った。が、数日間考えるうち気が変わった。理由は・・・ 昨秋から、私より安い時給で使える非常勤の新しいサポート・ワーカーが加わった。その影響で、私にまわってくる仕事が少しずつ少しずつ減ってきている。このままいけば、私の仕事はどのみち干上がるかもしれない。 私の時給は10年前のスタート時は5.35ポンドだったが、10年の間に徐々に上がり、またNVQ(介護資格)を取ったときに50ペンス上がったりもし、今の8.74ポンド(1180円)になった。この新参者より高い時給というのは、10年間勤めてきたことに対するご褒美のようなもの。それを一方的に取り上げられ新参者と同じ待遇に落とされるというのは納得できない。 今の新入サポート・ワーカーの時給はNVQを取っていても7.07ポンド(954円)で、残留した場合はこれが2年後の4月からの私の時給となる。一般的にみて、これは決していい時給とはいえない。これより多い時給をくれる雇用主はけっこうある。だから私は、2年後以降はハッピーライフのため働くことはほとんどないだろう。(ちなみにNVQなしの新人の時給は6.74ポンド=910円。) だったら今、いくらもらえるかわからないけど、解雇手当をもらって心機一転した方がいいみたい・・・! それで2週間後に再度集まった時、私の決心を伝えた。他の5人のシニアのうち私と同様辞めることにしたのはローズ(50代後半女性)のみ。ローズはサイレンセスターのホームでフルタイム(週37.5時間)で働いていたが、最近背痛がひどく、どのみち転職を考えていたそうだ。残る4人(皆50代、フルタイム2名・パートタイム1名・非常勤1名)は残留を選択。
のどかな牧草地の風景と、白亜の邸宅。お金持ちの家だろうな。 ビジネス・センター入口の右にある家は、いかにもイギリスの古い家という感じで趣があって素敵だった。
手取りで1000ポンド(13万5千円)ももらえれば上等と思っていた私の解雇手当だが、いざフタを開けてみたら4400ポンド(59万円)ももらえることがわかり嬉しいオドロキだった。11年目に入って気分的にダレてきていたし、何か新しいことをしたくなっていたので、私にとっては好機だったんだと思う。 そういうわけで非常勤サポート・ワーカーとしての仕事を昨日付で辞めた。残ったのは病院での非常勤のヘルスケア・アシスタントの仕事だけ。でも病院の仕事も、昨秋頃から入りが悪くなりつつある。フルタイム/パートタイムで常勤で働くスタッフが、余分なシフトがあると超過勤務でこなしてしまうので、非常勤にまわってこないのだ。不況の故、誰もが一生懸命ということだろう。(先月は病院の仕事が多めに入ったが、それは年度末で常勤スタッフが有休の残りを3月31日までに消化しなければならなかったため。) 私も頑張らなくちゃ。4月はハナがイースター・ホリデーで2週間と1日家にいるので私もゆっくりし、学校がある時に頼まれたら病院の仕事だけし、5月から何か新しい仕事を始められたらと思う。今興味があるのは、ホーム・ヘルパーの仕事。認知症の実母をサポートできない分、せめて同じような仕事をして罪滅ぼしをしたい・・・と思うんです、はい。 (実母のサポートと違いお給料をいただいてしまうのが申し訳ないのですが・・・)