11月25日
七度目の卒業を迎えてもまだ桜の花の奴隷であります 橘 こよみ ぐらぐらと螺旋に下るばねづたい卒業のない春をふらつく やすまる 「卒業」というイメージが固定されている言葉は、かえって難しい気がします。 作品の内容が似たようなものになってしまいがちですね。 そのなかでも突出して好きなのが橘こよみさんの作品。 作者自身が教師という体験をもとに詠まれたうたでしょうか。 しかし、そういうふうに現実的に捉えるよりも、「桜の花の奴隷」として囚われている心に注目したい作品です。 「奴隷」というドキッとする単語を用いられるのが、こよみさんの手腕。 やすまるさんの着眼点は「卒業のない」現在に。 「ぐらぐらと螺旋に下る」という途方のなさが印象的。 区切りなく存在し続けることはなんてことだろう。それが大人になるってことらしいけれど。 |
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