風に吹かれて

人生、ちょっと一服。日々の見たこと聞いたこと。

行く春 に思う

2013-04-24 16:32:24 | Weblog

 

桜前線が日ごとに北へ去り、家の近くではハナミズキの白やピンクが
そして新緑の美しい季節へと移り変わってきました

去年の春 来春に・・・と思いを残した 大木に満開のフクロクジュを訪ねて新宿御苑
へこの春 二度目の四月一日に訪れてみました
今年は東京の桜の開花が思いの他早かったのですが 残念ながら 
福禄寿はまだでした
でもたった一輪でしたが その日 咲いていました!

                   ウコン

残念な気持ちを抑えて 私の好むウコンやこれからのギョイコウを撮っていた時、熱心な
桜の研究家でしょうか? 管理をされている方でしょうか? とても興味深い胸に響くお話を 
伺うことが 出来ました
ご一緒した家のお向かいのGさんが、ここに来る度によくお会いするという若い男性でした

Gさんが 「先程、池の傍にある桜で名札がかかっていなかったのですが、以前あなたから
名前をお聞きしたのに忘れてしまって・・・今日とてもきれいに咲いていて良かったのですが、
何ていう名前でしたかしら?」と伺うと
「ああ、あの桜は ササベ ですよ。」
もう、帰ろうかと思い出口付近のエドヒガンを眺めていたのですが、お話が興味深く 
また後戻りしてついて行きながら 聞きました

  
サトザクラ(オオシマサクラ系)とカスミサクラの交配種で 桜博士 笹部新太郎が実生
から育てた桜・・・ということでした
説明する方はどうやらまたその ササベ桜 の場所に戻り案内して下さる積りのようでした
が 私達は、お昼抜きで10時から桜を愛で歩いていたのと 3時にはこの御苑を出る
計画でいたので暫くその場で立ち止まりお話を聞いて お礼を述べて 3時過ぎに心残り
や複雑な思いを抱いたまま 御苑を後にしました

私はその日 ササベサクラ のことを初めて知りました

家に帰り 早速図鑑やネットで取りつかれたように調べました
意識しなくて写真を撮ったので、はっきりしないためここには載せませんが、
花びらは絹のような輝きで 地味ながら山桜のあの葉の色に 品のいい薄紅色
がかった色合いの花びら(16枚位の)楚々とした感じがとてもいいと思いました

日本を代表する桜はソメイヨシノだけではない・・・と学者 笹部はソメイヨシノを
余り好まなかったようですが最近のDNA鑑定からは、片親はどうやらソメイヨシノ
らしいというのが、複雑な思いにさせられる結果です

来年の春にはまた満開のフクロクジュの姿と 初めて知った ササベサクラ の渾身の
一枚を撮ろうと思っています
まだもう少し 追いかけたい桜がこの先も楽しめそうですが、今年はこれくらいで。

東大の法科在学中から桜に惚れこみ、生涯職につかないで 桜研究と桜の保護育成と
指導に務めた笹部新太郎の生涯を、この学者をモデルにした 
水上勉の 「櫻守」 という小説とを読み合わせながら 私の桜の季節は
 いい余韻を残して また来春に託して終わります