男性コーラスのミニコンサートを聞きに行きました。
土曜の昼下がり、地域の集会場で趣味で集う男性仲間12名、3回目のコンサートだそうです。平均年齢73歳プラス現役音大生と特別出演の女性ピアニスト。そのメンバーに春から主人も仲間入りさせて頂きました。
普段は家で口ずさむ主人のパート(セカンドテノール)の部分のみを聞くので、音はずれていない?とか つられて他のパートの音域に入って皆の足を引っ張っているのでは?と思って聞いたこともしばしばありました。熱心に指導をされている指揮者兼リーダーから時々送られてくる”音源”やご自分で編曲された曲をCDに入れて下さるのを頼りに練習を重ねてきました。
「粒よりのいいお米は磨きをかけて清酒、そして吟醸酒になりますね。雑穀は磨きをかけるとどぶろくになります。でも 共通点は人を酔わせる・・・ そうなれたらと思い仲間で集まり練習しています」と、ユーモアたっぷりのご挨拶で始まりました。
ロシア民謡「ともしび」が静かに流れだしました。うわー!男性コーラスってなかなかいいものだなぁ~と「どん底」・「コサックの子守歌」・「ステンカラージン」と進んでいくうちに聞き惚れていました。唱歌による四季の歌、ポピュラーソング、テノールとバリトンの独唱と二重唱、と盛り沢山で、2時間近く楽しませていただきました。狭い集会場は70名余りの聞き手でぎっしりです。
このサークルを引っ張っていくリーダーの方は物理工学がご専門らしいのですが、趣味で2つのコーラスを指揮されています。数ある歌曲から掘り出す選曲、そしてご自身がなさる編曲がとても素敵で心地よくその世界に入ってゆけました。全員合唱で「花のカノン」という曲を即興で教えていただきましたが、歌詞も気に入って孫達に歌って聞かせてあげたい!と夢中で覚えました。観客を半分に分けて右半分に”ド”の音を、左半分に高目の”ミ”の音を長く引っ張って出していると”ソ”の音が聞こえるという実験をして、「コーラスもなかなか奥が深くまるで物理の世界と同じなのですよ・・・」という興味深いお話をされていました。
「落葉松」野上彰作詞・ 小林秀雄作曲 と 啄木の「初恋」 の音大生バリトン独唱。 瀧 廉太郎の「出船」は、トップテノール(指揮者)・バリトンの二重唱でとても素晴らしかったです。
また明治、大正時代の唱歌も歌詞をあらためてじっくり味って聞くことができ、郷愁と季節感あふれる詩情が歌声に乗って溢れてなつかしく思いました。
素敵な仲間と出会い、休まず楽しんで出かけて行く主人の姿を見るのは、嬉しいもので、私も大いに楽しませてもらっています。次回11月は都心の朝日ホールで何組かと「男性合唱フェスティバル」に出演するとか・・・夢のようなお話です。
庭のジョウロウホトトギス