新国立競技場建設問題でも、誰も責任がないという状態が続いている。「俺には責任はない」という弁明はあるが、誰が責任者であるかの言及は聞こえてこない。
『毎日新聞』は、「2020年東京五輪・パラリンピックの主会場である新国立競技場の建設主体である日本スポーツ振興センター(JSC)は22日、政府が白紙撤回した当初計画でデザインや設計などで結んだ契約が約59億円に上ることを明らかにした。ほぼ支払い済みで白紙撤回により、大部分が無駄な支出となる見通し。」と報じるが、その59億円をいったい誰が「ムダ」にしたのか。情けない国である、これでは誰にも責任がないという状態で、結局59億円という大金が消えていくのだ。
また東芝は、社長などのクビを切った。強引な手法で利益の水増しを図った、ということで、社長らがクビになった。しかし彼らは利益水増しの中でたくさんの報酬を受けとっていただろう、それは返さないのか。あるいは返せと要求しないのか。
弁護士の郷原信郎氏は、「第三者委員会」について、「東芝は「社長のクビ」より「監査法人」を守った」と論じている(下記)。
そして、「単に辞めさせるだけでいいのかどうか。これは、監査法人との関係を明らかにしないと、責任のレベルが分かりません。」と郷原氏は語るが、つまりトップだけを「クビ」にして、監査法人の責任を見逃すことで本当のところはわからないようにしたというのが、「第三者委員会」の報告だというのだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/072200044/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt
日本は、こういう問題が起きても、誰も責任がとらないし、とってもどれほどの失態であるかがわからないようにして幕引きを図る、そういう国なのだ。