この報告でも、無症状の感染者がウィルスを他の人に感染させていることが明らかとなっている。日本の場合は、症状が出てから検査をして感染者かどうかを決め、その感染者との「濃厚接触者」のみを追跡するという方式を墨守している。まさに COVID-19の特徴を踏まえない対策である。無症状の感染者を把握しない限り、永遠に COVID-19は人びとの間を渡り歩き、あるときは感染者を重症化し、ある時は殺してしまう。 トップが〇〇だと、その下にいる者たちも〇〇となる。何という悲劇!!
〈以下翻訳〉
An Outbreak of Covid-19 on an Aircraft Carrier
4779名が乗った原子力空母セオドア・ルーズベルトでCovid-19が流行した。
私たちは、PCR検査の結果を含む、全乗組員の臨床データおよび人口統計学的データを取得した。検査結果や症状の有無にかかわらず、全乗組員を最低 10 週間追跡調査した。
乗組員は若年者が多く(平均年齢27歳)、健康状態は全体的に良好で、米国海軍の海上勤務の基準を満たしていた。流行期間中、1271名(乗組員の26.6%)の乗組員がPCR検査で陽性反応を示し、最初に感染者の発生が確認されてから5週間以内に1000名以上の感染が確認された。さらに60名の乗組員がCovid-19の疑いがあった(すなわち、Council of State and Territorial EpidemiologistsのCovid-19の臨床基準を満たしていたが、検査結果が陽性ではなかった)。検査室で感染が確認された乗組員のうち、76.9%(1271人中978人)は陽性反応が出た時点では症状がなく、55.0%が臨床経過のいずれかの時点で症状が発現した。 COVID-19が疑われる、または確認された1331名の乗組員のうち、23名(1.7%)が入院し、4名(0.3%)が集中治療を受け、1名が死亡した。閉鎖的な場所で作業していた乗組員は感染する可能性が高いようであった。
COVID-19 は空母セオドア・ルーズベルト号の乗組員の間で急速に広まった。感染は、狭苦しいところであったことと、無症候性および無症候性の感染者の乗組員によって促進された。ウイルス陽性と判定された乗組員のほぼ半数には症状が見られなかった。