目が覚めたときに耳に入ってきたのは、小鳥のさえずりであった。
最近は、大きな雨音が続いていた。これでもか、これでもかと、7月からの「日照り」を打ち消すかのように、雨が降り続いていた。
未明、ものすごい雨音が眠りを妨げたが、しかしそれは一瞬であった。
台風10号ははるか西にあるというのに、ずっと雨が降り続いていた。雨雲レーダーには、赤色に塗られた雨雲の切片が、次々にわたしの住む周辺に押し寄せていた。
一度だけ、畑に行ったが、畑は雨水に覆われ、今まで土色であったところには、性懲りもなく雑草が覆い始めていた。そして雑草の丈は十分な水分を得て、さらに伸びていた。
この雨が止んだら、そして一定程度土が乾いたら、スコップをつかって雑草を根ごと取り去り、秋冬野菜を植えるスペースを確保しなければならない。
そして「日照り」のために実がつかなかったとうもろこしの残骸をも取り去らなければならない。
猛暑、日照り、そして降り続く雨、そうした自然の中で野菜を育てるという仕事には際限がない。
農作業というのは、いつでも自然との応答の中で行われる。自然が、気候変動の中で、大きく変化してきていることを感じる。
ただ購入して食べるだけの人びとには、自然の変化がどういう悪影響を与えているのかを実感することはないだろう。
危険信号が出ていることを、わたしたち農作業に関わっている者は感じている。