今月号の『現代思想』の特集は、「戦後70年」である。『現代思想』は特集によって買わないこともあるが、ほとんど購入し、頭の体操と挑発的な記述によりみずからの問題意識を鮮明化するために読んでいる。
樋口陽一氏と杉田敦氏の対談は、なかなか啓発的で、現時点で考えなければならない「憲法の前提」に関する「知」をもたらしてくれる。樋口氏は「立憲主義」に関する論考をかなり以前から発表されていたが、その「立憲主義」が今やきわめて重要な概念となっている。
樋口氏の発言。
立憲主義というのは権力の抑制で、軍事権力というのはその権力の最たるものですから、(18世紀のアメリカやフランスでも)軍事権力をどうするかが大きな問題として認識されていた
ところが、安倍政権がだしてきた「参戦法案」であるが、国会の答弁を聞いていても、軍事権力をどのように抑制しながら行使するのか、それがまったく語られない、逆に安倍政権は軍事権力にフリーハンドを与えるような発言をしている。安倍政権の行っていることは、あらゆる意味で立憲主義の無視としかいいようがない。
杉田氏は、この討論の最後にこう語っている。
立憲主義の重要性や人権の意義といった基本的な前提を共有していない人びととは、憲法改正をともに語ることはできない。
残念ながら、歴史学においても、「基本的な前提」をまったくもたないままでの罵詈雑言がネットを中心に飛び交っている。
学問の軽視、知に対する蔑視。安倍政権の大学政策にもそれは現れているし、育鵬社の教科書にもそれがある。
樋口陽一氏と杉田敦氏の対談は、なかなか啓発的で、現時点で考えなければならない「憲法の前提」に関する「知」をもたらしてくれる。樋口氏は「立憲主義」に関する論考をかなり以前から発表されていたが、その「立憲主義」が今やきわめて重要な概念となっている。
樋口氏の発言。
立憲主義というのは権力の抑制で、軍事権力というのはその権力の最たるものですから、(18世紀のアメリカやフランスでも)軍事権力をどうするかが大きな問題として認識されていた
ところが、安倍政権がだしてきた「参戦法案」であるが、国会の答弁を聞いていても、軍事権力をどのように抑制しながら行使するのか、それがまったく語られない、逆に安倍政権は軍事権力にフリーハンドを与えるような発言をしている。安倍政権の行っていることは、あらゆる意味で立憲主義の無視としかいいようがない。
杉田氏は、この討論の最後にこう語っている。
立憲主義の重要性や人権の意義といった基本的な前提を共有していない人びととは、憲法改正をともに語ることはできない。
残念ながら、歴史学においても、「基本的な前提」をまったくもたないままでの罵詈雑言がネットを中心に飛び交っている。
学問の軽視、知に対する蔑視。安倍政権の大学政策にもそれは現れているし、育鵬社の教科書にもそれがある。