アラブのうわさ

アラビア語、アラブ文化、イスラーム(イスラム)等に関する話題を元留学生が等身大でお伝えします!

ウムラ行きの悲劇

2006年10月21日 03時53分01秒 | Weblog
 マディーナに来て一番悲しい出来事が起きました。
 ラマダーン休暇に入った初日、私の所属するアラビア語学院の学生を対象にした無料のウムラツアーが組まれ、多くの学生(特に新入生)がそれに参加しました。ちょうど午後の礼拝の時、大学のモスク脇にバスが止まっていたのと、何人ものイフラーム(巡礼着)姿の学生が目に付いていたので『あー、これからウムラツアーに行くんだ』と思ってはいたのですが・・・
 悲報を耳にしたのは日没の礼拝を済ましてイフタール(1日の断食を解く食事)を摂った後、預言者モスクに行ってから。なんでも学生達を乗せマッカに向かう途中だったバスが事故に遭い、少なくとも4人の学生が亡くなり、それ以外にも多数の負傷者が出たのだといいます。
 新入生はほぼ全員が初ウムラで長年マッカ訪問を願い続け、それを実現させる旅路での事故・・・せめてもの救いはケガをした学生の医療費が無料なこと、そして亡くなった学生はマディーナに埋葬され、預言者の街で安らかに審判の日を待てるということでしょうか。
 天命は時に残酷にも感じられますがそれもアッラーの一存です。私もこうして元気に活動していられることを感謝し、時間を無駄にせずジハード(学業・信仰)に励まなくてはいけないと思い起したところです。
 亡くなった学生達にアッラーが慈悲をおかけになりますように。

帰ってきたレバノン人学生

2006年10月21日 03時51分41秒 | Weblog
 ヒズブッラーとイスラエルのドンパチに巻き込まれたレバノンですが、その学生達の消息がとても気になっていました。講義が始まった当初はわずか数人しか戻ってなかったものの一人・二人と帰還し、ラマダーンまでにはほぼ全てのレバノン人学生の姿が確認できています。アルハムドリッラー。
 特に仲のよかった『ハサン君』はベイルートで南部のシーア派住民が多い地区に住んでいるとのことで、空爆の被害を生々しく語ってくれました。
 幸い彼のオウチは壊れなかったものの、空爆の際の衝撃が激しく、辺り一体の建物はいつ倒壊してもおかしくない状態だといいます。
 当面、情勢は落ち着いているようですが、いろいろな政治的思惑が交錯する地域。またいつ何が起こるかわかりません。とりあえずは成り行きを見守るしかないのでしょうか。