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アメリカ・カナダ出張前に、
「移動中や、夜寝られない時に読むのに面白そうな本は
ないかな~」
とふらりと本屋に立ち寄って、たまたま目についたのが浅田次郎さんの『一路』。
あらすじはといえば:
時は幕末。
西美濃の自宅火災で父が突然、亡くなり、江戸から戻った小野寺一路。
本来はお家断絶のところ、主君・蒔坂左京大夫の参勤交代が直前に
迫っており、一路が小野寺家が代々勤める参勤道中御供頭の役目を
無事やりおおせれば、父の失火の罪を許すということに。
この道中御供頭というお役目は、序列でいえば大身ではないけれど、
参勤交代の道中の差配一切を取り仕切り、何人たりといえども御供頭の
指示に従わねばならぬという重要なポスト。
ところが蒔坂家江戸屋敷で生まれ、育った一路は、父からお家の役目
である道中御供頭のことを未だ何も学んでおらず、どうしてその
お役目を果たしたものか、途方にくれていたところに、焼け跡から
残った小冊を見つける。
『元和辛酉歳 蒔坂左京大夫様 行軍録』
江戸初期、参勤交代が制度化された頃、主君・蒔坂左京大夫より
道中御供頭に任じられた、一路の遥かなる祖が書き記した
参勤交代の道中心得だった。
こうして200年以上前に記された家伝の「行軍録」を唯一の
手がかりとして、19歳の一路は、自分と自分の家の運命を
賭け、一所懸命、己の本分を全うすべく、真冬の中山道を、
文字通り、一路江戸を目指すことに。
まず驚いたのは、参勤交代の本来の意味でした。
学校で習ったのは、大名たちの妻子を人質として江戸に住まわせ、藩主たち
には1年おきに国許と江戸を往復させ、各藩の財政を圧迫させ、徳川家に
刃向かえないように恭順させるというものでした。
しかし当初はそうではなく、いざ戦となった場合、徳川家を助けるために、
江戸に参陣する。そのための訓練であり、その本番がやって来た時は、
それは『行軍』そのものだったというんです。
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