数か月の誘拐拘束でポールは頭部の傷と栄養失調を患ったが、おおむね健康状態は良いと記者に発表された。
ポールは母と恋人のマルティーナに付き添われていた。
ポールは少し元気になり起きられるようになると、母のゲイルにこの誘拐は自分が計画したと告白する。
でも耳はと聞く、ゲイルに、自分で切ったと言った。ゲイルは大きなショックを受けた。
事件は10通りの結末を迎えたと元CIA工作員のチェイスは話す。映画のようにハッピーには終わらない。
しかし、ポールの誘拐が終わった今、密かに次に誘拐が進んでいた。
ゲティ1世は多くの重役を前に話をしていた。話を聞いている彼らは美術館に1世が持つエルギンマーブル(ギリシャ時代の彫刻)を置かせてもらえると思っていた。
しかし、1世にその気はない。
むしろ、上手くいかない美術館を奪う気だ。
1世は誘拐だ、と言った。身代金は払うと自信満々に1世は語っていた。
誘拐の実質的な実行犯だったプリモは1人の男を訪ねた。
呆けた母を抱える男は今更なんだというが、彼を古代ローマの遺跡の高みに誘い出す。
親族には違いないだろうという。
しかし、身代金の受け渡しの際、何故、彼自身の名前を言ったと聞く?
男は、あれは言わなければ受け渡しができなかったからだ、仕方がなかったんだという。
プリモも理解したというように、お前の分だと金を渡す。
2人は熱くハグを交わす。
しかしプリモは男を遺跡の隅に追いやり、そのまま、ポンと遺跡の下に突き落とした。
生きていられては困る。足がつく。
プリモは男の取り分を、その場に、無造作に放り捨てた。
プリモは、今回の計画の首謀者でもあるサルバトーレを訪ね、女を抱いて満足げに眠っている彼の頭に枕を押し当て、そのまま撃ち殺す。
プリモはポールの面倒を見ていたレオナルドを訪ねる。
レオナルドは会計ができるからそういうことをしようと思っていたが、俺の仕事を手伝ってほしいとプリモはに言われる。
息子のフランチェスコもだ。
プリモは世界進出を考えている。政府はカラブリア州で再開発を考えていた。身代金を使い、その計画に乗るつもりだ。港を作るのだ。
1世のところに誘拐されたとうのポールから電話が入るが、出る気はない。
嘘をついた孫などいらない、それが彼の気持ちだった。
プリモは港の建設現場にレオナルド、フランチェスコを連れていく。穴が掘られ工事が進んでいるのを見て、初めて殺した人間を入れる以外の穴を掘ったと冗談をいう。
そしてフランチェスコにあとを継がせると話していた。
ポールはイタリアで恋人とかねてからの約束の結婚式を挙げるつもりだった。
父のジョン・ポールは、その招待状を見て、俺がイタリアへ行けないと知っていてこんなものを送ってきたと、一緒に暮らしている恋人にいう。
彼は彼女から旅行にでも誘われたのか、ホテルのロビーにいると思ってウエルカムドリンクはないのか?と話しているが、彼女からここはホテルじゃない、施設よと告げられる。
もう耐えられない。
ここは入るか、私と別れるか、どちらかを選んでくれという。
薬物中毒のジョン・ポールは、施設に入る。
しかし、そこで女性の看護師の世話を受けて、意外に穏やかに幸せな日々を送っているようだ…。
ポールの結婚式の前日、親戚の叔父たちがやってくる。
ポールは決められた時期より前に結婚をすると、ゲティ家の遺産はもらえない。信託金も放棄することになる。
未練はなかった。
叔父に話す。
ゲティ家で得られなかったものを、新しく作る家庭で、与えたいと話している。
叔父は、ポールの気持ちを理解しつつもいう。
俺たちは大金に守られて生きてきた。先に歩き方を覚えるべきだという。
母のゲイルが現れる。
ポールは母に抱き着いた。
ゲイルはポールの結婚を喜んだ。私がおばあちゃんになるなんて。すでに子宝には恵まれていたようだ。
質素ではあるが、華やかに彩られた自分たちの手で作りあげられた式がとり行われた。
ポールも花嫁のマルティーナも幸福の絶頂にいた。
しかし時折、現れる画面がある。
プール際で注射を打っている、ポール。
車椅子に座っているポール。
それは幻なのか?
未来の暗示なのか?
ポールが誘拐された1973年は駆け足ですぎ、やがて1974年が否応なしにやってきた。
雑魚がポールの誘拐犯として逮捕され、8年の服役が決まった。
1世の第一愛人だったペネロペは、ポールのもとを去った。
ポールは彼女を訪ねるが、すでに違う男と暮らしている。留守をしていた彼女の帰宅を家の外で待っている。
戻ってきたペネロペは雨の中、足早に家に入り、男と暖かい室内でキスをかわしていた。
彼女の気持ちの中に1世への気持ちは全くなかった。
ジェフリー卿と最後の金銭の打ち合わせ…美術館の身代金の話をしていた。1世の執事と同じイートン校
の出身だ。
彼は、1世の提示する金額にノーをいう。では私の全財産の50億だったらどうだという1世。
それにジェフリー卿はプラス1ドルという。
かつて、ポールの身代金のときに嫌味のように面白がって言っていた台詞を突き返された。
1世の愛人の1人だったベリンダは子どもを産むのは契約違反と言われ、1世の元を去った。
彼女は息子を産んだ。
ポールはいそいそとそこへ通う。
しかし、将来はイートン校に通わせてという1世に、ベリンダは、それは契約違反だという。
子どもには母親が必要だという。
そしてどうしてもというなら、契約の見直しをしましょうか?と薄く笑う。
1世の美術館がスタートした。模型まで作って楽しみにして大金を注いだものだった。
最近の1世は、顔の皺をお直し、しかし、昔のように趣味の悪い官能小説を口伝えて書かせることもやめていた。愛人たちも夜のお呼びがかからない。楽なものだと愛人たちは喜ぶ始末だ。
1世の全てを注いだ美術館がついに完成した。
執事のブリモアと残った愛人の前で大手の新聞のその美術館の評価を聞く1世。
ある記事には、古代ローマの邸宅のようなそこは、まるでディズニーランドだと書かれている。
そしてまた、別の記事には滑稽だと書かれていた。
ロサンゼルスに古代ローマの遺跡のような美術館は、まさにただの時代遅れのテーマパークのようなものだ。
愛人は適当に機嫌を取るが、1世は、その評価にショックが隠せなかった。
1人きりになった1世は、模型を粉々に壊してしまう。
すでに時代遅れの老人だということに1世だけが気づいていなかった。
ドラマの最中、案内役も務めていたチェイスが、ギリシャ神話のミーダス王の話をする。
彼の触るものは全て金に代わってしまった。
しかし、ミーダス王の死因を知る者はいないという。
餓死だった。
触るものが全て金に代わるのだ。
愛する者も食べ物さえも。
まさに、今の1世がそうだった。
プリモは港を完成させ、そこから多くの薬物を輸入した。
しかし、その港の形が耳の形をしていた。
誘拐で切り取られたポールの耳を意味しているのか?
忠実だった執事のブリモアもついに去る決心を固め、まだ何も気づかない愛人たちは、カクテルを頼んでもその作り方を教えるだけのブリモアの態度の豹変に全てが変わり始めたことにまだ気づけずにいた。
チェイスもこの事件から大きな教訓を受けた。
離れて暮らしていた息子のアレックスを彼は訪ねた。
全ての人が全ての場所に収まっていった――――――。
そしてすべては終わったのか?
実話にフィクションが入り、映画とはまた別に製作されたドラマです。
実際のゲティ3世(ポール)は、誘拐から解放されたものの、アルコール依存症で薬物依存症がその後も続いた。
最近映画の公開で、ネット情報が書き換えられているので、ちょっと前に見たものと違うのですが、薬物の影響から肝不全と脳梗塞を20代後半で引き起こしたと…以前は書かれていました。
切り取った耳は再見手術を受けたものの、病んだ身体は長い闘病生活を送ることになった。
解放されても彼の人生は歯車が狂ったまま、幕を下ろしたようだ。
おそらく誘拐された当時のゲティ3世
TV Guide(出典)
映画もありますが、そちらとも内容が違うみたいですね。
ドラマは、本当に金持ちの坊ちゃん思考ですねー。
金の苦労を知らない。
しかし、子だくさんのくせに(複数回の結婚と愛人がいて、子供が生まれると旅に出てしまったらしい本物のゲティ1世)
まさにド・ケッチな人物です。
でも多くの子どもたちは、それなりの成功をしたようです。
違うところで、画像を売っている「Getty Images」は娘さんが起こした会社と書いていますが、息子さんのようです。
その会社を興した息子の子どもが俳優になった。
ゲティ3世も脇役で映像に出演した経験があるみたいです。芸術・美術に興味があったようです。
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