真夜中の神話

2007-11-25 00:51:32 | 日記風
 このタイトルから何を想像しますかね?
 真保裕一さんの本です

 本を選ぶ時、私はタイトルか、作家で選びます。
 今回はタイトルからだったからでしょか。

 彼女は大学で薬学を研究する、将来を期待された優秀な女性です。優しい物分りのいい夫と可愛い娘。女性にとっては出世と家庭、両方を手に入れたような幸せに恵まれていた彼女が、事故で夫と娘を1度に亡くしてしまうところから悲劇が始まります。
 彼女は夫と娘を亡くした悲しみを胸にインドネシアに渡ります。そこで新たなる出発をと考えますが、やはり2人の死への責任が拭えず苦しみから逃れられずいる時、乗った飛行機が、山中に墜落する事故に合います。
 2人の元へ逝けるなら死を覚悟する彼女は奥地に住む村人に奇跡的に助けられます。
 
 そしてそこである少女の歌に癒されます。
 癒されたっていうか、物凄い勢いで回復を果たす。村人達は比較的長寿で、この村には、いや、あの少女の歌声に人を癒す力があるのではないかと思う。死を強く意識していた彼女は少女の歌声に励まされもう1度生きる勇気を得て、街へと戻る。
 
 しかし街へ戻った彼女を待っていたのは・・・。
 
 吸血鬼の村から戻った女という周囲からの拒絶。
 事故のたった1人の生存者というマスコミからの興味の目。
 かつて同じように村に関わった者の死。村を出る時、決してこの村のことを口外するなとまるで脅迫するように迫った村人。
 もしかして私も・・・。
 
 全ては、あの大いなる癒しを与える歌声の少女の存在へと集約されていく・・・。
 
  どんな結論かは、著書をお読み下さいとしか言えませんが・・・

 アニマル・セラピーと言うのがあります。動物に触れて、癒され病気を治そうとする気持ちが強くなる。
 それにかなり科学的な根拠があるようですね。

 癒される、今は私も期待したくなる言葉です