ちょっと前に、同じ作者の『閉鎖病棟』を読んで、他の作品も読んでみたくなって手を出したのがこちら。
千日紅の恋人 (新潮文庫)帚木 蓬生新潮社このアイテムの詳細を見る |
父親の遺した古いアパートの管理人・時子の物語です。
家族のように厳しく、そして優しく、アパートの住人達の面倒をみる時子。
いろいろな問題を抱えていますが、彼女は常に気持ちを強く、まっすぐに持って問題にぶつかっていきます。
そんな彼女の前にひとりの男性が現れ、彼女は心を惹かれていきますが…。
恋愛物語といっていいと思うのですが、その部分は割とあっさり。
それよりも、アパートの住人たちとの交流の方に筆が割かれていて、大家さんって大変なのねと思ったり…。
人生、まじめにがんばっていればいいことがあるんだな、と思わせてくれる小説です。