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聖戦のレギオス1巻~眠りなき墓標群(グレイブ)~の感想レビュー(ライトノベル)

2009年03月20日 00時40分13秒 | ライトノベル・小説
富士見書房から『聖戦のレギオスⅠ~眠りなき墓標群(グレイブ)~』(雨木シュウスケ先生原作、深遊先生装画)が発売中です。

全3巻予定の『聖戦のレギオス』シリーズは、富士見ファンタジア文庫から刊行されている『鋼殻のレギオス』シリーズのスピンアウト作品で、『レジェンド・オブ・レギオス』シリーズに続く物語でもあります。

主役は、ニーナや廃貴族、狼面衆とも因縁の深い謎の男ディックこと、ディクセリオ・マスケインです。
本編でも重要なシーンで活躍した彼の生い立ちと、苦難に満ちた旅の始まりが描かれ、今までは断片的にしか知ることのできなかった彼の過去が明らかにされているのが見所です。

文字通り時間と空間を超えて出逢いと別れを繰り返す事になる彼の数奇な運命を、本編よりもハードな文章で描く本作は、一人称の『おれ』視点で語られているのもあってかなり印象が変わっています。
バイオレンス・ファンタジーと銘打っているだけあり、強欲都市ヴェルゼンハイムという出身地、年齢がレイフォン達よりも上などの設定に合わせて、性や暴力に対する表現は本編よりやや過激な感じです。

しかし、後の天剣授受者であるリンテンスをはじめ、本編に関わりの深い人物が登場したりと、レギオスファンの方にはより楽しめるギミックが満載です。

特に、同日に発売された『鋼殻のレギオス12~ブラック・アラベスク』とは密接に関連しており、本編では謎だらけの新登場を果たしたニルフィリアがディックの顔見知りであることが明かされたり、同じ一場面を違う人物の視点から対照的に描いたりと、心憎い演出がステキです。
出来れば鋼殻の12巻を読んだ後に間を開けず読み進めて頂くと、より面白みが増すのではないかと思うのでおすすめです。

本編の物語が長く続いていくのに合わせ、どんどん拡大し続けているレギオスワールドですが、目的地や時代を選べないとはいえ、過去と未来を行き来するディックの物語は、通常の時間を生きるキャラには知り得ない新たな事実につながる可能性も高そうで、今後どんな謎が解かれていくのか、次巻以降も気になりますね。

本編がまだまだ続く以上、このシリーズの最後がどの様に描かれるのかまだ判りませんが、今回のようなギミックがまたあると良いなと思います。

欲を言えば、本文内にイラストは無く、装画のみの硬派な作りなので、深遊先生のファンの方にはちょっと残念かもしれません。
聖戦シリーズでしか見られない、若かりし頃のリンテンスをはじめ、ディックに深い影響を与えるメイリン、ジャニス、謎の念威繰者などの女性陣の表情は見てみたかった気がします。

ファンの方は是非、書店でチェックしてみて下さいませ。




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