gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)

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『子ひつじは迷わない』の感想レビュー(ライトノベル)

2010年10月30日 15時24分01秒 | ライトノベル・小説
角川スニーカー文庫のラノベ、『子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき 』(玩具堂先生原作、籠目先生イラスト)が発売中です。
表紙はメインヒロインの仙波明希(せんばあき)。
お尻に敷いた謎のキャラクター、ぱやきのさんと、左手に持っているセロテープ台は作中でも大活躍なので必見ですね。
それはそれとして、大胆な開脚姿勢に思わずフトモモに目が行かざるを得ない件。
中身は知的だけど、ガードが甘い女の子には萌えますねw

第15回スニーカー大賞《大賞》受賞作品ということで、注目されていた方も多いのではないかと思います。
結論から言えば、内容的な面白さと、文章的な完成度の高さの両方が素晴らしく、大賞を取ったのも素直に頷ける作品だと思うので、今すぐ書店へゴー!するのがよろしいかと。

難解な用語や設定も使っていないので非常にとっつきやすいことや、上手く読者の興味を惹きながら説得力のある解答&キャラ達が幸せになる結末を用意していることから読後の充実感が高いこと、決して本編のメインがイチャコラしているわけではないのに、しっかりとラブコメとしてのツボを押さえていることなど、欠点らしい欠点が見当たらない上に読み手を選ばないという、ある種の理想的なライトノベル像を体現していて素晴らしかったです。
基本的に褒め傾向の強い当ブログではありますが、ここまで手放しで褒め讃えたくなった新作は久しぶりかも。
こうした良作が発掘されるのなら、やはり今後も出版社主催の大賞企画が続いていくと良いな~と思いますね。
コミカライズ&ドラマCD化も既に決定ということで、バックアップ体制も十分という感じですが、このままのクオリティで早めの刊行ペースを維持して頂けることに期待したいです。

お話的には、生徒からのお悩み相談を受け付ける『迷わない子ひつじの会』の担当者となった生徒会書記の主人公、成田真一郎(なるたまいちろう)が、最初の相談をキッカケに明希と知り合うことに…というボーイ・ミーツ・ガール展開です。
普通の作品なら、会の創立の経緯や、真一郎の人となりを冒頭で描いて…という感じでお話が進むところですが、本作では

『相談を募集→相談者による説明を聞く→会のメンバーが頭を悩ますも解決出来ず→真一郎が部外者である明希に意見を求める→話を聞いただけでほぼ即答→真実を告げることが当事者達にとって一番いい結果を生むのか考えて、真一郎が答えを伝える→相談者が相談前よりも幸せになる→口コミで噂が広がって次の相談者が見つかる』

という流れがひとつの定形となっており、物語の中で真一郎や他のキャラ達の人となりが見えてくるようになっている仕様でした。

基本的にはそれぞれの事件が独立しているので短編連作のイメージが近いですが、解決済みの事件に出てきたキャラが別の場面でチョイ役的に描かれたりする場面もあり。
意外なつながり自体にニヤニヤしたり、時にヒントがあったりするという意味でも面白いですし、同じ学校に通っているんだな~という、生活感がそれとなく伝わってくる雰囲気作りという意味でも上手いなと。

ツンデレというよりは、一見純粋に真一郎を毛嫌いしまくりに見える明希の物言いがやや辛辣ですが、それだけ真一郎の本質を見抜き、理解している事の裏返しでもあるわけで、直接好きとか言わないどころか話題にすらなかなかあがらないにも関わらず、しっかりとラブコメのエッセンスを感じることが出来るのも新鮮でした。

一方、真一郎と同じ生徒会書記のヒロイン、佐々原三月(ささはらみつき)が、クールで落ち着きのある丁寧な物腰とは裏腹に、最初から真一郎のことをとても気にかけている様子は、序盤から対称的に描かれているので、乙女心や切なさ系の要素も十分に感じられます。
明希のように天才的なひらめきは無いものの、彼女自身も頭の中で色々と考えている様子がわかるので、とても好感が持てるキャラに仕上がっていて良かったです。
というか、章の始まりに描かれている三月お手製の相関図カリカチュアがかわい過ぎるw
それに限らず、状況を的確に描いた女の子のイラストがどれもグッジョブなので、表紙絵買いの方も安心かと。
表情に恋心が透けて見える感じがして癒されますw

また、相談自体に恋心が絡む場面も多いのも、学園モノ、青春モノらしくて嬉しいですね。
そうかと思えばとんち的な要素が強い相談が寄せられたり、案の定、最後にはシリアスで重めな相談が寄せられたりと、バラエティー豊富で飽きさせない工夫がされているのも、かゆいところに手が届く感じがして好印象でした。
これは雑誌での短編連載にも向いているんじゃないかなと。

『与えられた物語を追う』だけではなく、『自分の頭の中で解答を模索しながら読み進める』タイプの作品なので、伏線探しとは違った視点で、物語の展開を予想する楽しみがあるかと。
回想シーンにおける証拠や証言など、ヒントとなる要素のほとんどは状況証拠ですし、キャラの心情を推測した上で結論を推測するシーンも多いので、本格推理ではありませんが、サスペンス的作風を楽しむには丁度良いバランスの難易度になっているかと思います。

他作品の恋の鞘当てとはちょっと違う、真一郎、明希、三月の三角関係の今後も楽しみですし、既に次の事件の引きがエラい事になっているので、次巻が待ち遠しいです。
声優の竹達彩奈さんを応援団長に起用した事も話題ですが、今後も大賞出身作として、スニーカー文庫の新しい目玉シリーズとして、上手く盛り上げていって欲しいですね。


気になった方は是非、チェックなさってみて下さいませ。

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第15回スニーカー大賞《大賞》『子ひつじは迷わない』11/1発売!






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