通訳案内士の気ままな生活

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通訳案内士のあり方検討会とは

2010-06-18 21:08:41 | 通訳案内士のあり方
通訳案内士のあり方検討会というのが
観光庁主催で行われているのは何度かご案内しました。
次回で第7回になります。
興味がある方は是非傍聴してみてください。

通訳案内士にとって苛立たしいのは
この会は特に議論を交わすことなく観光庁の描いた筋書きによって進んでいることです。
いきなり法案を出したら反発されるだろうから
事前に意見を聞いたと言う証拠を作るためと言っても過言ではありません。
当会には通訳案内士団体のJGA、JFGからも代表が1名づつ出ていますが
発言の機会は毎回3分程度しか与えられず、
その意見に対する十分な議論も行われないまま
観光庁が意見を取捨し勝手にまとめて次回の検討会へと進んでいきます。

この検討会に限らず、
皆さんの意見を広く聞きますよーと言いつつ
最初から結論の決まっている検討会というのは
霞ヶ関ではよくある話しなのかもしれません。


この検討会では通訳は自由競争でやっているから
通訳案内士も自由競争でやるべきだ。
そういう乱暴なことを言う人が居ます。

通訳と通訳案内士という2つの仕事は
響きさえ似ていますが全く異なるものです。

通訳は言葉を正確に訳すことが仕事です。
正確に訳すために多少自分の言葉を加えることが必要なときもあるかも知れませんが、
基本的には話者の言葉に忠実に訳すのが仕事です。

一方通訳案内士は
自分の言葉で自分の考えを外国語で話すのが仕事です。
日本は最低だと思えば、最低と言ってもいいのです。
そういった意味で人間性や資質と言うのは重要になります。
まして、外国人観光客と一番身近でコミュニケーションを取れる日本の代表です。
ガイドの言うことはほとんど信じてもらえます。
外国からのお客様を接待するのがメインと言ってもいいでしょう。
だからこそむやみに自由競争させるのは危険なのです。
日本の国が信用を与え、日本から海外に発信したいメッセージを託すべきなのです。

まあ、こういったガイド側からの反論の機会も与えられず
どんどん規定路線にむかって進行しているありかた検討会ですが
その委員の一人として参加されている
JFGの山田理事長がありかた検討会についてお話しされているインタビューを見つけました。
是非お読み下さい。


今でこそ教養の高い方々が誇りを持ってやっている通訳案内士ですが
自由競争になればガイドをやる人達の質も変ってくるでしょう。

北米ではガイドは自由です。
低賃金でチップをもらいながら給料を補完しています。
ガイドをする人は社会的地位の低い移民が中心です。
もしくは車を運転しながらドライバーがガイドを兼ねています。
もちろん、それでもガイドを確保するのは可能です。
ただ、移民がほとんど居ない日本では
外国語を流暢に話す人材は貴重ですから
同じようには行かないでしょう。

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