経営戦略コンサルの洞窟

殆ど自分のために書いておりますが、お役に立てれば

資産運用はインデックスファンド

2007-03-30 20:16:39 | Weblog
コンサルの資産運用はインデックスファンドが一番だ。

個別株を買うのは職業倫理上ありえない。いろんな情報が入りすぎる。ファームで厳しくチェックしてないところもあるので自分で気をつけよう。この辺りの倫理観が最近薄れてきていると思う。

資産運用に大幅に時間を割くのは人生の優先順位から行って間違っている。そんな暇があったら仕事の能力を高めるべきだ。第一そんなに資産運用に時間をかけても結果はそれほど変わらないだろう(ウォール街のランダムウォーカーとか参照)。

ここは黙ってインデックスファンドだ。時間もかからず、買った負けたもない。集中して仕事、その他の生活に没頭できる。お金が溜まるたびにタイミングを気にせず買い増していけば高収益になるだろう。仕事に没頭できる分、そちらの収入も増える。

今なら楽天証券の海外ETFがお勧め。これと日本のETFさえあれば十分だ。

キャリアはマイルストーン方式

2007-03-29 23:49:52 | Weblog
戦略コンサルでキャリアを考えるとき、絶対にマイルストーン方式にすべきだと。X年までにマネージャーになる、とかコンサルタントになったら一旦他社に転職するとか、決める。達成できなかったら次のステップに切り替える。

コンサルタントは合理的でありたいと考えるために、この方式を採用しない。いい話が着たら転職だ、とか常に最適な決断をしようとする。

でもこれは難しい。プロジェクトのように第三者としての目を持てず、情報も偏りがちだ。ただでさえモラトリアムであるコンサルタントは時を待ち続け、なんとなく辞めずにだらだらする。

これでは時間がもったいない。他にも面白い仕事はたくさんあるし、誰もその会社、コンサルに向いているとは限らない。よほど向いていない限り、自分で決めないと何も動かない。

批判的になれるか

2007-03-28 00:16:56 | Weblog
あらゆることに批判的になるのは難しい。我々は教育で批判的であることを習っていない。常に教科書・先生の言うことは正しく、それを理解することに全てを費やしてきた。この習性は今でも自分の中に染み付いてしまっている。

しかし、戦略コンサルをする上ではあらゆることに批判的でないと付加価値は出ない。人と異なる視点を出さなければならないから。

例えば、「リコーがIBMのデジタル印刷事業を約7億ドルで買収。リコーとしては過去最大の買収。」なんて記事を見ると随分派手な買収で、リコーもそういうことをするようになったか。M&A時代到来だな。なんて感じてしまう。

しかし、リコーの売り上げは連結で1兆9000億円。買収した事業の売り上げは1000億円。リコーにとって5%程度の規模の買収であればかなり堅実な行動だ、と考えたりするのが一つ。


この考え方が正しいかどうかは別として、新聞を読みながら字面以外のことを考えるのはよほど意識をしない限り日本人にはできない。しかも時間がかかって疲れる。

だから大前研一さんとかは本とかで、「情報を鵜呑みにしないで考えろ」「読んだらその数倍の時間をかけて考えろ」などとしつこくいっているわけだ。

特に新聞報道なんて誤解の塊だ。毎朝新聞に文句つけながら会社に行けば批判力はかなり鍛えられるはず。

ただ批判的になりすぎて回りの人に嫌われるのだけは気をつけよう。

コンサルは提案を売る?

2007-03-25 10:01:29 | Weblog
財務・会計系のコンサル(M&Aのトランザクション)と一緒に仕事をする機会があって、同じコンサルでも全然考え方が違うことに気がついた。

戦略コンサルは「戦略コンサルはクライアントに最適な提案をしないだめだ。だからITとかM&Aとか手段を最初に決めることはまずない。特定の手段ありきでクライアントに提案するなんてありえない。」と考える。

財務・会計系のコンサル(M&Aのトランザクション)はそうは考えない。いろいろ推測するに「クライアントにプラスになるだろう提案を持っていっているだけで、それがクライアントにとって最適どうかは分からない。決めるのはクライアントである。クライアントが最適ではない我々の提案を受け入れたとき、責任があるのはクライアントで我々ではない。何故なら我々は提案自体でクライアントからお金は貰っていない。トランザクションの時だけにお金を貰うのである。」

なるほどー。全然コンサルと言えども全然違う。「コンサル」という括りは殆ど意味がないんだよね。

「何に対してお金を貰って(払って)いるのか?」を常に意識することで、コンサルに限らずいい買い物ができそうです。

できる2年、できない1年

2007-03-23 17:56:23 | Weblog
戦略ファームでは自分の能力を回りに理解してもらうまでに2年必要です。1年目で直接仕事した人がなんとなく認めてくれます。でも評価会議では一部の人が「できるよ」と言ってくれても他の人は「ふーん」って感じでテキトーに流されます。

2年目。他の人とも働いて、「できるよ」と言ってくれる人が増え、評価会議でも2年連続「できるよ」と言われると、他の人も「なるほど、こいつできるんだ」と認識してくれます。

足かけ2年。これくらいは我慢しましょう。何かと誘惑の多い戦略コンサルティングファームですが、しっかり能力を身につけないと将来フラフラしてばかりで何もできないやつになってしまいます。「できる」と言われても殆どの場合「若い割には」とか「入ったばかりにしては」ということで、戦略コンサルとして絶対的に「できる」わけではないのです。

注意しなければいけないのは、「できる」という評価を得るまで2年ですが、「できない」という評価が定着するのはなぜか1年です。誰もできない人は自分のプロジェクトに入れたくないので「できない」評価の情報には敏感です。

最初から全力投球で行きましょう。

脳は勝手か

2007-03-19 20:27:36 | Weblog
IBMのコンサルティングビジネスも、そろそろ他のベンダーの製品を販売・導入するサービスを展開してもいいのではないか?

コンサルティング会社のあり方、アスクルのビジネスモデル、カテゴリーマネージメントなどここ一年で考えていたのだけれど、ふと思いました。

業界でトップのポジションにあればそれ以上シェアを伸ばすのも難しいし、二位以下も取り込む方向で、なおかつお客さんに便利な方向で動けば絶対成功するかと。


今IBMについて何かを考える必要はないけれど、どうして人間の脳は突拍子もなく勝手に動いて、勝手にアウトプットを出すのだろう。でも、必要なときに脳は稼動しない…。不思議だ。

ただ少なくとも「脳はインプットと思索の時間、がない限り働かない」というのは確かな気がする。

今だからこそ直営

2007-03-16 18:27:59 | Weblog
今日の新聞でマクドナルドがフランチャイズを増やすという記事があったが、この政策はまずい。

フランチャイズは、
○立ち上げ時に少ない資金で店舗網を拡大するとき
○店舗での作業が極めて標準化されていてそれほど付加価値がないときに本部が付加価値の高いバリューチェーンに集中するとき(コカコーラとかこのタイプかな)
に使う。

しかし、現状のマクドナルドは直営店があるので資金が問題ではない。作業が標準化しているのは事実だろうが、いろいろな新商品・販促を投入したり、店舗形態を導入したり、決して全てが標準化されているとも思えない。

成熟しきった会社では細かいお客さんの要望を汲み取って商品開発、販促などをするのが重要になるから、このタイミングで完全に現場をコントロールできないフランチャイズからするのはおかしい。

資本効率が悪くなっても店舗を直営のまま維持したまま成長を考えたほうがいい。

確かに、日本のマクドナルドはある程度あきらめて、浮いた資金で他の事業に回したり、他国に投資したりすることは考えられるけど。

As you like

2007-03-14 21:49:05 | Weblog
As you like.
旅行中に何度も聞いた言葉です。今旅行で一番印象に残った言葉。

使い方:例1:
リクシャーワーラー(自転車で引っ張るタクシーみたいなもの)「200ルピーでXXまで行くよ」
自分「150ルピーにしてくれよ」
リクシャーワーラー「As you like. 俺の仕事をみて大変だと思ったら200ルピー払ってくれ」

使い方:例2:
自分「見知らぬ現地の人に道案内をしてもらってこのホテルについた。チップを払いたいけど相場はいくら?」
ホテル従業員「As you like. 払ってもいいと思う額を払えばいいよ」


生活環境や情報網の発達した日本では相場というものがあり、それを元に価値基準、お金の額を決定できる。市場が、誰かが価値基準を定めてくれているのだ。

しかし、市場が未発達のインドでは価値基準を誰も定めてはくれない。己の価値基準のみが唯一の基準である。

自分の基準を持たない旅行者は、一貫性のない価値基準で常に自分の支払った額が多すぎたのではないかと不安に駆られる。逆に自分の基準を持つものは、自分の支払額に対して不安を持たない。


これは日々の生活でも同じこと。自分のキャリア、クライアントへの提案など全て自分の価値基準を持たないと世の中を見て不安になる。それが見知らぬ土地での出費だったためにこの問題がクローズアップされただけ。

自分独自の価値基準を常に持つ。他人は気にしない。分かってはいるけど旅行で再認識。

統合は意味なし

2007-03-13 00:27:20 | Weblog
今日の夕刊にも大丸・松坂屋の統合の記事が載っています。統合ブーム。でも記事にはその統合の狙いは書いていない。きっと書けないのだろう。本質的な統合の意味がないからだ。

投資家や顧客は簡単に投資対象や商品・サービスを自分で組み合わせることができる。


例えば、ライブドアのような会社が消費者金融を買ったり、ソフトウェア会社を買ったり、オンラインショップを買ったりして全てライブドアグループで統合する。

でも顧客からすれば全てをライブドアグループで済ませる必要はなく、お金が必要なら消費者金融へ、ソフトがほしければソフトウェア会社へそれぞれ行けば済むだけのことである。

投資家にしても同じ事。いくつかの会社の株を組み合わせればいいだけの話で、むしろセットにされるほうが迷惑だ。

それでも企業間の統合が進むのは、規模を大きくして買収されるのを防ごうとか、統合でイメージを上げて株価を上げて資金調達を容易にしようとか、規模が大きいほうが顧客・投資家・納入業者から信頼されるだろう、などという本質的に価値とは関係ないところの意味合いばかりだ。

戦略コンサルも事業を多角化しないのは、クライアントはいつでも問題に最適なコンサルを見つけられるから。戦略コンサルがサービスラインを広げても本質的には大してクライアントのためにはならない。むしろ下手にIT部門を持ったりすると最終的にITにつながる提案をされないかとクライアントに疑われてしまう。


無意味な統合をしないで本業での質向上に努めるべきだ。お客さんは思ったより統合サービスを望んではいない。それは今日のニュース、百貨店の凋落が示している。何でも売っているところより、専門ブティックのほうが顧客は好むのである。

旅行の楽しみ

2007-03-11 23:51:40 | Weblog
有給が溜まっていたので海外旅行に行ってました。

久々の一人海外旅行で感じたことの一つが、自分の成長。以前は海外旅行をして外人や現地の人と話していても結構相手の話や意見を聞いたりしていることが多かった。情報を空襲していたわけだ。英語が下手で自分の意見も大してなかったからだろう。

でも今回の旅行でふと感じたのが、自分が話している時間の長かったこと。日本との違いは何か?その国の何が問題なのか?どうすればいいのか?などなどいろいろ意見をいうと向こうが面白がっていろいろ聞いてくる。さらに相手の意見がおかしいと思えば、「それは違う。なぜならこうだ。」などと言って相手に喜ばれたり。情報を発信できたわけだ。

旅行して相手の国からいろいろ学ぶだけではなく、相手にも有益なものを与える。それも言葉できちんと。

コンサルティングを通して得られて成長だと思う。以前と違う旅行の楽しみ方ができた。