経営戦略コンサルの洞窟

殆ど自分のために書いておりますが、お役に立てれば

人の作ったものは嫌

2007-01-29 20:52:13 | Weblog
自分はゼロから分析するのが好きなんだけど、やっぱり効率が悪い。戦略やリストラ、デューデリジェンスなどクライアントの作成した計画に足し引きした方が効率はいいのは分ってるんだけど。

でも、クライアントもそれほど詳細な計画を作るわけじゃない。そりゃ将来の売上なんて分らないから、「こんなもんだろう」で作る。費用項目も大雑把。正直説明聞いても良く分らない。

これだと緻密なシミュレーションを要求されるコンサルのプロジェクトでは使えないから、「じゃあ、最初からつくっちゃうか」となる。この方が楽だし、楽しい。

最後にいろいろ調整して、クライアントの計画と合わせてオプションを評価すれば一丁上がり。


でも、これじゃあやっぱり効率は悪い。ちょっと面倒でも人の作ったものを最大限活用する方向にしよう。人のふんどしで相撲を取る?方が楽なはず。

コーチングビジネス

2007-01-27 15:09:28 | Weblog
コーチングビジネスは、クライアントの能力を伸ばすことを支援するビジネスにしないと成功しない。そう感じたのは、教育型コンサルと働いてからである。

先日クライアントの問題解決能力を指導することによって、クライアントの組織能力を上げるというコンサル会社と接点がある仕事をした。

彼らのやり方を傍目で見ていると、クライアントのスタッフのプロジェクトなどに入り込んで問題解決方法をテンプレートなどのツールを使って手取り足取り指導している分けである。

しかし、それを見ていてこれはまずいな、と思うのだ残念ながら教育コンサルもツールは使いこなせるけど、問題解決がそれほどうまくない。これでクライアントが成長するのかどうかはツールを自らたまたま使いこなせたクライアントのみが成長することになるだろう。(当の教育コンサルは自分の問題解決能力は素晴らしい、クライアントはできないと思っている。)

ここで感じたのは、コーチビジネスでコンサルの能力が天井になってしまうビジネスはクライアントのためにならない・そもそも成り立たない、ということだ。

テニスやサッカーにしてもコーチはプレーヤーよりプレー自体がうまいとは限らない。それでも世界一流のプレーヤーの能力を開花させるコーチング能力を備えているのである。


こと問題解決に関しては、自分よりうまい人について技の数々を盗む以外方法はないと思う。教える、ノウハウを明示的にするのは難しい。それはどこの戦略コンサルも過去新人トレーニングのために考えてきているが、いまだにきちんとしたものは確立されていないからだ。

可もなく不可もなく

2007-01-23 00:20:01 | Weblog
あるプロジェクトが終了した。今回のプロジェクトはクライアントがある仮説を抱いていて、それ実証するための小さなプロジェクト。

いろいろ分析した結果、クライアントの抱いていた仮説は正しかった。ということで、クライアントも大満足!我がボスも大満足。みんなハッピー!???

唯一ハッピーではなかったのは自分。検証は正しい自身はあるし、みんな満足。そこで全力で知恵を絞って、いい意味でクライアントの期待を裏切ったか?と言えばそこまではいけてなかった。

スコープ内で結論を出すことで終わらせてしまったのがいけなかった。いい意味でクライアントの期待を上回るアウトプットを出さないと、自分の成長はない。

成長機会を無駄にしてしまったことに反省。

戦略コンサルの社会還元法

2007-01-20 18:48:19 | Weblog
企業の問題解決が戦略コンサルの仕事である。ただより良い社会を作るためには個別の問題解決だけでは不十分だ。

世の中の、特に経営に対するレベル向上に一躍買うべく、多くがクライアントからの得られた知見を社会還元すべく、本や雑誌の記事を書いているのだ。

本などを書くには個別企業の問題解決能力だけでは無理だ。その業界全体の深い知見と洞察までも求められる。

それを社会に還元してこそ、一流の戦略コンサルタントではないかと思う。早くその域を目指したい。


本や記事を書いたりすると、コンサル内では仕事が取れない暇なコンサルが書くんだろう、会社のマーケティング目的だ、などと言われているが、そんな発想ではいつまで経っても問題解決屋である。

手帳は廃止

2007-01-18 12:22:29 | Weblog
去年の途中から手帳を使うのを辞めた。手帳は人生を駄目にする。

手帳に記入するのは基本的に確定した・しそうな予定。しかも日付の決まっているもの。基本的には「やらなければいけないこと」の備忘録。

これを中心にして生活していると「やらなければいけないこと」で終わる。To-Doリストも同じこと。


代わりに「やりたいことリスト」を作りました。例えば、インドまたは中国に行く(今年中)、萩の友達のところに遊びに行く(今年中)、南の島にダイビングに行く(来年中)とか。

このリストにしたがって生活していると「やらなければいけないこと」の代わりに「やりたいこと」ができるようになった。

To-Doリストと同じことだけど、「やらなければいけないこと」ではなく「やりたいこと」を書く。

さらに一歩を上を行くと、やりたいことを手帳の日付のところに入れちゃんううだろうけど。自分にはまだ無理だ。

朝型がいいのか?

2007-01-16 17:27:39 | Weblog
よく午前の方が頭が働くから、頭の使う作業は午前、どちらかというと単純あ作業系を午後、などと言うが、いつ頭が働くかなんて人によって違うのだから意味がないと思っていた。実際は自分は夜型だ。

しかし、午前に頭を使った方がいいことがあることに気が付いた。

夜遅くまで頭を使う仕事をしていると、深夜家に帰っても眠れないのである。煮詰まった時に帰るので、タクシーの中、シャワーを浴びながらずっと頭は自然と回転中。これで寝床に入っても頭は回転し続け眠れないのだ。

または、夜遅くまで分析をしていて、面白いことを発見してしまったとき。これまた興奮して眠れない。ある種コンサルの醍醐味でもあるのだが。


だから、「朝型にしないと、夜良く寝られない」というのはコンサルに当てはまりそうだ。

原書

2007-01-14 22:48:00 | Weblog
原書が古かったりする場合、分りやすさと時間の短縮を考えて、解説本を読みます。

例えば、ポーターの競争の戦略であれば、「ポーター教授『競争の戦略』入門」、五輪の書であれば、「五輪の書入門」とか

でも読み終わった後、結局原書を読み返すことになるんです。入門書じゃ良く理解できないから。


理解できない原因は、考えている時間の短さにあると思うんです。歴史的な大作を短時間で理解することは、仮に本は読めたとしても思考の速度が追いつかないのです。消化不良状態。

ポーター本なんて長くてしょうがないけど、読んでいる間に事例が出てきたり、自分でいくつかの会社を思い浮かべて考えたりしているから理解できるようになると思うんです。途中で何度も寝ながら頑張る。


「ちゃんとした本は時間を掛けて読む」


分っちゃ入るけど、今日も手軽に読める解説書に手が伸びます。戦略コンサルの気は短いのです。

ボスは二人

2007-01-13 18:25:18 | Weblog
よくプロジェクトでボスが二人いて、二人とも他のプロジェクトと兼任していて、適当な指示がバンバンきて、大変な思いをすることがある。

でも、慣れてくると意外とこの体制はやりやすかったりするし、成長のチャンスだ。


二人ともそれほど考えていないので、どんどん言う。それをこちらが真に受けて全ての作業をすると即パンク。毎日徹夜しても時間が足りない。「指示全部受け型」だ。

そこで考える。どの指示に従い、どれに従わないか。これは頭を使う。「指示受け選択型」で仕事だ。これはボスが一人でも応用できる。

さらにプロジェクト終盤、指示されたことをやってもアウトプットが何のストリーにもなっていない。何故か怒られるのは自分。不思議だがしょうがない(笑)。

ここで、事前にストリーも考えないといけない。ここら辺で、「指示受け選択型」から、こちらからこうしますと言う「提示承認型」へとスタイルを変更する必要がある。

ストリーの組み方は人によってスタイルが異なるが、二人ボスだとおかしくなければこちらの組み方でOKがでるケースが多い。


一人ボスでは味わいにくい自分でのストリー作りを、二人ボスの面倒くさい環境を利用してマスターしてしまおう。

いい人マネージャー

2007-01-12 18:57:40 | Weblog
最近すっかり少なくなってしまった「人がすごくいいけど、それほど出来ないマネージャー」。

ストレスの多い戦略コンサル業界ですが、実はこういうマネージャーと働くのが今から思うと一番ストレスを感じていた。嫌いな人だったら「そんなことしても意味ないでしょうー」なんて気楽に言ってしまうが(笑)、いい人相手だとなかなか言えない。

コンサルのマネージャーなんてみんな自分に自信を持っている人たちだから、そもそも自分のやり方を変えない。

ひたすらじっと耐えて、指示に緩やかな反抗をしつつも、頑張って笑顔で不必要な長時間労働に付き合っていたことを思い出します。


そういう人たちはみんなどこに行っちゃったんだろう。

ロジックツリー

2007-01-10 03:02:44 | Weblog
イシューツリーとかロジックツリーとかって、コンサルのよく読む本に良く出てくるんだけど、殆どみんな大して使わないんだよね。だから、自分もこういうのって誰がどういうときに使うんだろうって思ってた。(うちのファームだけかな??)

でもたまに使うマネージャーがいるんです。今回はそれを真似して自分で作ってみたんです。自分のストリーム用に。

そうしたら、なんて使いやすいんでしょう!こんな便利なものをなぜみんな使わないんでしょう。仮説はクリアーになるし、分析ポイントも絞れるし、チームと共有しやすいし。

この年になって初めて便利さに気がついて、自分で使えるようになった…。ちょっとうれしいような悲しいような。


何で廃れているかというと、マネージャーが頭の中で作っていて共有してくれない、初めから仮説ベース、ストリーベースで、ファクトベースで積み上げてストリーを作るので最初に必要ない、などなどいろいろ考えられます。

ロジックツリー使うマネージャーって古くから戦略コンサルやっている人が多いんだよね。最近過去5年前から戦略コンサルファームが急拡大したときに、ドサクサ紛れに一部で失われかけている技術なんじゃないかと思う。


しかし、これを身に着けると分析作業は楽だし、ストリームの切り出しは楽だし、超協力ツールです。この年になっても身につけられたことは喜ばしい限りだ。

日々勉強です。

360度評価のあるべき姿

2007-01-08 01:12:05 | Weblog
同様に、波頭亮「プロフェッショナル原論」(ちくま新書)を読んで

===== 評価についてはパートナーが下を一方通行で評価するものであり、360度評価などありえない =====

理由としては、プロフェショナル職業の仕事は奥が深く、職能レベルが上の人しか、下の人を評価できないと。

これは戦略コンサルなど単一の職務しかない会社でのみ成り立つ話であり、実際にこの考え方は正しいと思う。

コンサルの職位はコンサルしかない。コンピテンシーが複数あるのが通常だが、どれか一つが弱くても昇進できない。従って、職位が上のコンサルは「必ず」下のコンサルより能力が高いのだ。どこのファームもそれだけの時間を個人の評価に費やしている。

===== だから下の人が上の人を評価することは無理であり、間違いである。 =====

とは言うものの360度評価を導入しているのは、下に対するマネージメント能力を見ているのである。きちんとストリームを分けて効率よくチームを作業させているのか?チームを奴隷扱いしていないか?

それ以上の評価は聞いていない。上の人にロジックの作り方がおかしい、仮説思考が出来ていない、などというのは10年早い。

そんなことを言う時間があれば、上の人のいいところを一つでも多く盗むべきである。


ここ一年ほど考えたことが本を読んでクリアーになったので、おっさんくさいことを書いてみた。

過去自分の所属しているファームで、妙に下のしょうもない意見(自分もたくさん言っていたのだが…)を吸い上げていたファームがあったが、あれは今から考えればおかしい。それで悪い評価のついた上の人は気の毒だったと思う。だから今でも大きくなれないのかもしれないけどね。

人を殺してはいけません

2007-01-06 01:33:30 | Weblog
人間、意外と原理原則の方が腑に落ちることもある。

先日波頭亮「プロフェッショナル原論」(ちくま新書)を読んで、

ファームの運営に関してはパートナーのみが行う。それ以下の人は口出しできない。口出しする前に、パートナー会議の内容すら教えてももらえない。

自分のファームではまさにこの通りで、会社の経営方針など一切説明されない。そんなことに不満を多少持っていたのだが、こう堂々と書かれると、そんなものかなー、と思ってしまう。


確かに、人を納得させるためには論理の必要なんだけど、原理原則で押し切るという考え方もある。

例えば、「人を殺してはいけません」「ご飯は残してはいけません」などということを理詰めで説明しようとすると相当難しかったりします。でも感覚的には十分納得できる。多分、子供のときからの道徳教育のおかげだろう。


ある一つの思想・方針に基づいて原理原則なら、下手な論理よりよっぽど人は納得するのだろう。その顕著な例が宗教・思想関係。

また研究対象が一つ増えてしまった。

報告書先、情報収集後

2007-01-05 17:29:43 | Weblog
やっぱり報告書はプロジェクトの初めに作らないと駄目なんです。

久々に人の下について仕事しているんだけど、ひたすらデータと情報集め。ある程度集まったところでスライド作り。あっ、情報足りない・・・。

先にスライドを作っておけばどんなデータが必要なのか明確だし、チームメンバーによってイメージが変わることはないんです。最初に頭のなか


つくづく情報・データなしで仮説で報告書を先に書くことの大切さを思い知りました。人によっては嫌がるんだけどね。順番が逆じゃないかって。でも本当は報告書が先なんだよね。

コンサルティング道の追求

2007-01-02 00:25:16 | Weblog
あけまして、おめでとうございます。

今年のキーワードは「年中無休」にしました。コンサル業にも慣れが出てきて、いろいろ成果が出ているんだけど、今後一層コンサル道を極めるために、初心に帰り今年は質より「量」を追及します。

去年いろいろ考えた将来もしばらくはコンサル業に精進することに決定。少なくとも2010年ぐらいまでは。


今年追求しそうなテーマは、

プロフェッショナル職業とは?
武士道とは?(武士道は一つのプロフェッショナル職業だ、今はないけど)
禅とは?(武士道思想の元)

ここら辺の精神的な思想と、コンサルティング・プロフェッショナル職業としての行動規範・倫理観が少しでも見えてきたらなー、という考えです。


今年も全力で駆け抜けましょう。