経営戦略コンサルの洞窟

殆ど自分のために書いておりますが、お役に立てれば

戦略コンサルタントのポーター的戦略

2008-05-30 15:17:48 | Weblog
ポーターの戦略論によると、戦略は3つ。コストリーダーシップ、差別化、集中化。

これを戦略コンサル個人の取るべき戦略に当てはめるとどうなるか。

コストリーダーシップ:これは業界最大手が規模の経済などを活用して実施することが多い。コンサルでは本当に「頭が切れ」、アイディアや洞察力で勝負する。

差別化:全てのクライアントに対して差別化したプラクティスナレッジを持つことか。プラクティスに対する「典型的なアプローチ」をもち、過去の事例から改善策を提供する。

集中化:ある種クライアントを絞り込む。クライアントを企業単位とすると分かりやすいのは業界特化か。その業界の知見をため込み、「あるべき業界構造」からクライアントに課題に入る。

ポイントは「頭が切れる」もちろんコンサルの中でもトップクラス、「典型的なアプローチ」方法論が確立されていることを示す、「あるべき業界構造」業界全体について独自の意見を持っていることが大切だと思っています。

否定するだけでもOK

2008-05-27 13:44:00 | Weblog
コンサルティングの仕事をしていると、このアイディアだめだなー、と思っても代案がないとなかなか「だめでしょうー」とは言いにくい雰囲気があります。特にチーム会議とか。

でも、駄目なものは駄目だし、間違っているものは代案を出す出さないの議論の前に、クライアントに出さないほうがいいわけで、代案がなくても指摘するべきです。

だから否定だけでも発言の価値は十分あります。

今や深い分析は求められないか

2008-05-25 09:58:48 | Weblog
何年か前と比べてプロジェクトの期間が平均3ヶ月程度から2ヶ月程度へと短くなっている気がする。その原因を業界構造を既知としてコンサルに要求する、意思決定のスピードの向上などだと思っていた。

他の理由として、近年あまり深い分析が求められていないのではないかという気もする。コンサルも分かりやすさを重視知るため、最初につけるエグゼクティブサマリーを簡潔に書くが、当然そこに書ける深さは知れたものだ。

もちろんコンサルの分析が悪いから期待されないというのもあるが、近年あまり難しい本は売れないなどと関係しているのではないか。本も数時間が読めるような新書や字の大きいものが売れているが、それと同じでコンサルレポートも気軽に読めるものが求められている気がする。また企業がレポートより実行を重視するために、報告書を簡単にして実行フェーズに突撃したいのかもしれない。

だとするとちょっと知的な追求という意味においては少し物足りなくなっている可能性はある。特に理系研究者的な頭の良さを持った人からは敬遠されるようになるかもしれない。

あえて、もう一度古典的なレポートを作りたくなってきた。

エクスパット

2008-05-24 00:08:06 | Weblog
海外オフィスでもう一つ気になることが、エクスパット。

外人が何らかの専門性などをもって海外オフィスに行くことなのだが、日本にはエクスパットが日本に来るのに、日本人が海外にエクスパットとしていくことはない。

自動車産業、電気産業など日本が世界に誇れる産業があり、日本オフィスにそれなりに知見が溜まっているにも関わらずだ。

言葉の問題もあるが、それ以上にグローバルでのマネージメント能力が欠けるのだろう。特に海外留学経験者はいても仕事経験者は少ない。

その意味でも、シニアのポジションで海外にでて、将来日本からエクスパットとして海外に出て、日本から情報を発信できるような体制にしたい。そうしないと所詮、日本は支社としての位置づけを抜け出せない。

海外オフィスへ行け

2008-05-18 22:16:15 | Weblog
グローバルの戦略コンサルに入社したからには、そのネットワークの中でしっかり仕事ができること、その能力を身につけることが大切だ。

海外オフィスに移ると自分の力が発揮しずらいので、正直評価などは一時的に低くなる可能性は高いが、それでも長期的にはグローバルビジネスパーソンになるためには、不可欠だ。

海外行けば生活から仕事まで大変なことがだらけだ。その中で磨かれる能力は半端ではない。お金をもらいながらの生活は、留学よりも力はつく。

できればジュニア時代に一回(英語力、外人慣れ)、シニア時代に一回(グローバルマネージメント力)2年づつ程度経験することをお勧めする。自分もジュニア時代に行かせてもらっていたので、もう一度チャレンジしようかと思う。

コンサルの希少価値性はマネージャーになること

2008-05-08 00:43:09 | Weblog
最近マックやBCGのブランドが際立ち始めてきた。こうなるとその二社に行くべきか、その他にいくべきかでなぜか面談中に相談されることも多い(できれば複数社からオファーをもらってから相談に来てくれるといいのだが・・・)。

自分の市場価値・能力を上げることを目的とするならばマネージャーになれそうなところを選べ、ということだ。マネージャーになるためには4~6年程度はいねばならず、雰囲気が合うかどうかなどが一番重要になる。

マネージャーの理由は、近年戦略コンサルも大衆化してエントリーレベルでは玉石混合。その段階で戦略コンサル辞めても大して世の中では評価されない。特に新卒、コンサルタント/アソシエイトポジションはとりあえず取って、だめだったら辞めてもらおう的な方針もなきにしもあらず。

そこから一歩抜け出して、昇進の基準もかなり高くなるマネージャーまでやりきって初めて希少価値が出てくるわけである。この段階までいくのは、入社した人の5人に1人くらいか。

だから会社のブランドより、ポジション志向の方が実利はあると考える。ポジションが同じならどのファームも給料は似たりよったりだ。

コンサルで早く成長しすぎるのも問題

2008-05-07 01:53:12 | Weblog
新卒でコンサルを始めたとしよう。パートナーになるまでに早く何年かかるか?

アナリストで3年、コンサルタントで3年、マネージャーで3年、プリンシパルで3年とすると約12年。22歳で入社したと仮定したら34歳でパートナーになるということだ。パートナーになれば案件を年間5億円くらいとってこれなければならない。

普通に考えて34歳で日本の大企業の経営者(場合によっては60歳以上の方々)から5億円もの案件を取ってくるのは残念ながら不可能である。

とするとパートナーとしては成り立たないのである。

そうならないためにも、一度ビジネススクールにいく、ゆっくり昇進して経験を溜め込む、事業会社に出るなど寄り道が必要だ。

この世界競争好きの人は多いが、焦ってはならない。

全体最適を求めてはいけない

2008-05-01 17:33:21 | Weblog
全体最適を求めると物事は先に進まない。
これは案件を議論するうえで大切なことである。

たとえばBPRにしても戦略が決まらないとできない、法規制の変化がどうなるかわからない、競合の出方次第、などと言われて進めないようでは厳しい。

これは分かりやすいが、他の例では「何でもやってください」とクライアントに言われたとき、または何も言われなかったけどクライアントに何かを提案するとき、または雑誌などに業界の知見の記事などを書くとき。

こんなときは全体最適とばかりに対象範囲を広くしても人に対してメッセージはでないし、クライアントの特定の人などにとって広げすぎると興味を持ってもらえない。

部分でもいいから、何ならかの論点・テーマ設定を思い切って行うことが必要である。

逆にそのようなことを必要としない、クライアントなどによって特定された課題を解決しているようではコンサルの能力は開発されないと思っていい。