経営戦略コンサルの洞窟

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統合は意味なし

2007-03-13 00:27:20 | Weblog
今日の夕刊にも大丸・松坂屋の統合の記事が載っています。統合ブーム。でも記事にはその統合の狙いは書いていない。きっと書けないのだろう。本質的な統合の意味がないからだ。

投資家や顧客は簡単に投資対象や商品・サービスを自分で組み合わせることができる。


例えば、ライブドアのような会社が消費者金融を買ったり、ソフトウェア会社を買ったり、オンラインショップを買ったりして全てライブドアグループで統合する。

でも顧客からすれば全てをライブドアグループで済ませる必要はなく、お金が必要なら消費者金融へ、ソフトがほしければソフトウェア会社へそれぞれ行けば済むだけのことである。

投資家にしても同じ事。いくつかの会社の株を組み合わせればいいだけの話で、むしろセットにされるほうが迷惑だ。

それでも企業間の統合が進むのは、規模を大きくして買収されるのを防ごうとか、統合でイメージを上げて株価を上げて資金調達を容易にしようとか、規模が大きいほうが顧客・投資家・納入業者から信頼されるだろう、などという本質的に価値とは関係ないところの意味合いばかりだ。

戦略コンサルも事業を多角化しないのは、クライアントはいつでも問題に最適なコンサルを見つけられるから。戦略コンサルがサービスラインを広げても本質的には大してクライアントのためにはならない。むしろ下手にIT部門を持ったりすると最終的にITにつながる提案をされないかとクライアントに疑われてしまう。


無意味な統合をしないで本業での質向上に努めるべきだ。お客さんは思ったより統合サービスを望んではいない。それは今日のニュース、百貨店の凋落が示している。何でも売っているところより、専門ブティックのほうが顧客は好むのである。