将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

最後の冬休み

2014年01月04日 | 家庭学校

将人の最後の光の村・冬休みだというのに、帰ってくるや否や、文化祭の練習などデューティーはこなすものの、それを済ませると、さっさっとお散歩に出かけてしまう。

学校の寮生活では全然起きないのに、帰ると睡眠不足となるので、出先でてんかん発作を起こしてしまう。自然に治まったものの、救急隊で保護したと品川駅から連絡が来た。次の日は成田空港第2ビルで走り回っていたとお叱りの電話をいただいた。その次の日は、電車に乗るや否やアベックの横に座り、気味悪がられて通報されたりと、連日の電話で、勤務中もとてもじゃないが落ち着かない。散々な前半1週間だった。

出ないように24時間見張っていようかとも思ったが、思うだけで体が言うことをきかない。ドアに鍵して閉じ込めようとも思ったが、それは親でも監禁罪になるのだそうだ。一緒に部屋の中にいればいいのだろうが、それでは仕事にならない。堂々巡りだ。

さすがに根を上げて、横浜の先生にまたお願いすることになった。まるで自閉症のレスキューのように、いざという時に鎌ヶ谷まで駆けつけてくれる、とてもありがたい先生だ。命からがら救急車で助けてもらった時の気持ちというのはこういうのを言うのだろう。

結局10日間預かったもらった。あちらではちゃんとしていたらしい。親子関係を再構築すれば、何とかならなくもないような気がするが、どちらにしても並大抵のことではないし、仕事にならない。

自閉症者を施設に入れておくというのはしなくなったし、施設解体の方向だとは言うが、他の人は一体どうしているのだろう。将人は比較的話もできるし、重度とはいえ、光の村で生活する限り、そんなにひどい状況でもない。こういう状況で、地域でみる、在宅で過ごす、というのは絵空事だ。

将人に罪はない。しかし、知的障害、認知症、精神疾患には身体疾患とはまったく違った社会的な問題が内在する。普通の人が生きていくのさえ困難な時代には、むしろこういう問題は露見しなかった。命が軽かったからだろう。一方、現代の開発途上国、社会主義国での状況は放置という混在が多いようで、やはりはっきりした解決はないようだ。

 

 


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