将人のことには思考停止してしまう私だが、他の子には比較的ドライ、かつ現実的に頭が回るのが、自分でも不思議だ。
おそらく他人だと、ある程度冷静に見限ることができるが、将人だと期待、チャレンジ、これまでの子育ての後悔などなど、いろんな思いが重なってしまい、あまりにも重く、単純な発想にならないからだろうと思う。将人の世話をしてくれる職員をみていて本当にそう思う。意外にあっさりと対応できている。親のような重いものがないからだろう。
知的障害のあるご自分のお子さんは光の村土佐に入れて、ご自分は秩父校で勤務されていた先生が以前おられた。自分の子を自分・自分の仲間はみない、というのはわかるような気がする。
先日、近くの特別支援学校から高校3年生A君の就労実習をさせてくれないかと依頼があったので、1週間ずつ3回来てもらったが、今度は、うちの施設で来春から就業させてくれないかという依頼まで来た。そんな話はもともとなかったので驚いた。
特別支援学校に経営者として出す回答として、以下の2案を検討している。
「第1案」
月給は月2万円。ペアを組む当施設職員に15万円手当てを出します。そして、二人でできた仕事に応じて、給料の比率を変えます。つまり、二人で1人前から1.5人前、2人前の仕事量になるにしたがって給与を上げるのです。ずっと同じの可能性もあります。これがうち式の平等です。半年たっても仕事量が2人前にならないなら、解雇です。他に行ってもらいます。
「第2案」
先日、引きこもりの人たちに仕事をくれないかと個別に訪問して下さった福祉関係の方も同じですが、A君の例を引くまでもなく、障害者、特に知的障害者をいったん雇うと、その人、時にはその家族の全人生もいきなり背負い込むことになって、企業は腰が引けて当たり前です。
仕事も沢山ある時期もない時期もあります。フェンス周りの剪定時期、会社内の大掃除の時期、たな卸しの時期、などなら人手ができるだけ欲しいでしょうし、一人だけではなく、数人ならジョブコーチも付けやすいでしょう。つまり、派遣会社を作り、そこから仕事に応じて、個別に契約するシルバーさんみたいな運営にすると、仕事を発注する側からはとても気が楽になります。
そういう派遣会社を私財を投じて作る事は、やぶさかではありません。その運営を補助する形で、専門家である養護学校の先生たちにもご協力いただけるといいと思います。そこから、A君だけではなく、まとまった仕事がある時に、数人、ジョブコーチ付きで派遣してもらうのです。これなら雇用自体には何の負担もないだろうと思います。