将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

学校後

2008年04月03日 | 卒業後
光の村土佐校で見事なまでにご呈示頂いた、自閉症児の「学校後の姿」は大変感動的なものでした。光の村がその40年の歴史を通して、具現化して下さったモデルケースです。

皆が皆、うまく行く筈ないとは思いますが、ご紹介頂いた障害者各位に関していえば、病気のせいで元来落ち着きがなかっただろうと思われる、うちの子のような知的障害児さえ、運動と生活指導を中心にあの手この手で鍛え上げられており、その知的レベルに応じた、単調で延々と続く労働にも耐える根気と体力を体得しておられました。

通勤寮では朝早くから起き、交替で手作りの弁当を作って、それを持って職場に通勤です。それが普通に出来るようになると、グループホームに移って6~8畳の個室を持ったり、更に、10年以上働けば、結果として賃金(数万円/月)と障害者年金(6~8万円/月)でまとまったお金を手にすることとなり、中古4LDKを購入、リフォームし、ご自分も含め、他の障害者にも貸す、いわゆる大家さんになっている方もおられます。結婚さえしていらっしゃる方もおられる、と聞きました。

ちなみに、土佐市(人口3万人)中心地から車で20~30分程度しか離れてないのに、70坪の土地付き中古4LDKが1000万円で買えたそうです。台風銀座の高知県にあって、一戸建ての集まった住宅地とはいえ、海辺の堤防からあまり遠くないやや窪地だったのが少し気にはなりますが・・。高知市(人口35万人)中心地からでも自動車なら1時間ちょっとでしょう。1時間半から2時間の電車通勤が当たり前、30坪100㎡新築一戸建て、あるいは60~80㎡マンションが3000~5000万円の首都圏郊外のうちのあたりとは感覚がまるで違います。近くに甲子園の常連校で、ゴルフの横峯さくらや、相撲の朝青龍の出身校でもある明徳義塾中学校・高等学校があります。なお、高知県の総人口は80万人だそうです。

今回見せて頂いた現場は、いわゆる2次産業の職場で、寒い時も暑い時もあるでしょうし、木の削りかすだらけ、油だらけになることもあるでしょう。安閑とした、ただ収容するだけの施設にいたら、到底耐えられるはずもないと思います。

それが、あの方達はその困難にも黙々と耐え、笑みさえあげていらっしゃるではないですか。そう、それは額に汗した、労働の喜びです。自分がこの世に生まれ、役に立てたと実感できた時の、自尊心に満ちた満足そのものに見えました。


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