将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

将人のハーフマラソン

2006年12月21日 | 体育

 

あさっては光の村マラソン大会だ。高校生はフルマラソン、中学生はハーフをそれぞれに応じた速度で走りきる。

中休みが高校生は40分、中学生は10分あるとはいっても、それぞれを4~6時間、2~4時間で走るのは並大抵の事ではない。午後は学期末の保護者会がある事もあって、高校生は朝5時半スタートだという。この時期の5時半といえば、まだまだ真っ暗だ。山あいの光の村ではなおの事だろう。

ここまで行くと、ついこの前まで手を焼いていた自分の子供に尊敬の念まで抱いてしまうくらい、神々しいものがある。その応援のため明日には秩父入りして、あさっての早朝に備える事にした。

単に体と精神力を鍛えるジョギングの域を超えてここまで来ると、昨年見た韓国映画「マラソン」の世界とオーバーラップする。その主人公は実在する韓国の自閉症青年で、19歳の時にフルマラソンをサブスリー(42.195㎞を3時間以内で走りきる、アマチュアランナーの夢を表現した言葉)で走りきり、健常者も含めた韓国史上最年少記録を打ち立てた人だそうで、翌年にはトライアスロンも15時間でやり遂げている。

以前見た時には「すごい」と思ったし、その余韻が残るままに光の村を知ったからか、光の村への入学をすんなり抵抗なく決めてしまった。 だが、あさって現実に目の前で将人がハーフマラソンという、親もできない、巨大で高い高い壁を乗り越えようとしているにあたり、改めてもう一度「マラソン」を見ないといけないと思い立ち、約1年ぶりに今日また見た。

今度で都合3回だと思うが、毎回感動する所が違ってくる。実に奥深い映画だ。光の村で、ランニング大会がある度に見返す事になりそうだが、おそらくその度に見方が変わってくると思う。

今回はまだ、「できない」と諦めていた将人が「できる」事を見て感動するだけに終わりそうだ。

そして、親の満足のためにさせているのも、この年齢だからこそまだ許されると信じたい。そして、それはとりも直さず、いろんな体験を通じて将人自身が自分の世界を作り上げていく糧(かて)となると確信したい。

この前の秩父宮ロードレースの時は苦しそうでもないが、かといって楽しそうでもない、息を乱さないポーカーフェースでのゴールだった。

願わくは今度は、解き放たれ、はじけ切ったような、すがすがしい笑顔で息を弾ませながらゴールしてくれる事を願う。

 

 

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