ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

エクスカリバー(ジョン・ブアマン監督)

2007-12-31 | Weblog
ストーリー;アーサー王伝説を安い予算と少ない人手、さらにはセットで描く‥。ヘレン・ミレンのためのヘレン・ミレンを見るだけのための大長編映画。とにかくヘレン・ミレンが美しい‥。
出演 ;ヘレン・ミレン、ガブリエル・バーン、ナイジェル・テリー
コメント;ヘレン・ミレンの神秘的な美しさで支えられている映画。もともろロシア人の父親をもつというが、演劇を学んだのはフランスだという。映画の中では青色の衣装が画面に映える。
 さて、アーサー王というのは99パーセント伝説で、6世紀の始め頃からその伝説が伝えられるようになったという。神話ではあるけれども奥さんのグエネビアというのは相当に男遊びの激しい人だったようではある。映画の中で北に向かった騎士がひどい目にあるが、この当時のスコットランド人は相当に荒くれ者。ピクト族やスコットランド人がハイランドを占拠している一方で、ローマ帝国がブリトン人を支配する構図だったと考えていいのではないか。ローマのハドリアヌス帝は北部との境目に土の城壁を作るがこれはスコットランド人が侵入してくるのがメインだったのかもしれない。ローマ人がこのブリテン島に温水のフロ、ガラス窓、プール、寺、ワインなどなどを持ち込んできたわけだが、映画の中のアーサー王はそのすべての便益を享受している。さらにローマ帝国でキリスト教が公認された後は、キリスト教もブリテン島に持ち込まれるが映画の中で魔術師マリーンが「多くの神々が死に‥」というのは地元の多神教的文化が一神教文化に変化していく様相を暗示しているようにも思える。400年ごろから、今度は南部にサクソン人が上陸し、ローマ人のきづいた道路なども破壊してしまう。ケルト人はキリスト教に改宗していたが、ウェールズやコンウォールに逃れそこで作成されたのがこのアーサー王伝説だとされる。アーサー王はケルト人のキリスト教徒のリーダーとしての役割を演じるが、その内容は本来の聖書には程遠いアニミズムの世界でもある。
 金髪で青い目というのがケルト人の特色だが(ま、白人の多くはそうだが)ブリトン人をローマよりも早く統治していたのはこのケルト人。クラウディウス帝の侵略を受けるまではこのケルト人が支配していたのではないか。もっともキリスト教の一色文化よりも錫のキラキラした鎧に身を固めた騎士たちが円卓を囲んでいるというのは当時の理想だったのかもしれない。
 映画自体はひたすら退屈でしかも長い。‥1980年代の映画だがよく映画館で観客は退屈しなかったものだと思う。ひたすらヘレン・ミレンのみに感服する‥。
(ミカエル)
 旧約聖書の中の四大天使のうちの一人。「火」を扱う天使で軍神の性格もあわせもつがプエセメウスやマースの性格を両方併せ持っていたのだろうか。フランスが英国に攻め込まれてきたときに、フランスのオルレアンにおいてジャンヌ・ダルクの前に現われた天使はミカエル説もある‥。つまり「イングランド」でも「フランス」でもミカエルは等しく天啓を与えたことになる。「マイケル」という映画の中でジョン・トラボルタが演じている天使もおそらくこのミカエルだろう。
(聖ジョージ)
 キリスト教の聖人。現在のトルコに相当するカッパドキアに270年ごろ生まれ、「赤い十字架」を掲げて布教し、ドラゴンを倒したという伝説がある。パレスチナ方面で布教を続けるが当時のローマ帝国はまだキリスト教が公認されておらず、303年にローマ帝国に捕らえられて首をはねられた。

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