ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ロスト シーズン1~シーズン6(J.J.エイブラムス監督)

2011-08-28 | Weblog
ストーリー:シドニー発ロスアンゼルス行きのオーシャニック航空815便が突如のエンジントラブルで前後に機体が折れ、南太平洋の孤島に不時着。奇跡的に生き残った48人は海岸で救出を待つが、島の奥からは謎の生物や白熊などが現われる。フィジーへの不時着をめざしていたが途中で信号機も壊れたので救出の見込みがたたないが、48人はとりあえず文化、人種の違いを乗り越えていこうとする…
キャスト:マシュー・フォックス(ジャック)、エヴァンジェリン・リリー(ケイト)、ジョシュ・ホロェイ(ソーヤー)、ナヴィーン・アンドリュース(サイード)、ホルゲ・ガルシア(ハーリー)、ダニエル・デイ・キムジ)、キム・ユンジン(サン)、エミリー・デ・レイビン(クレア)、エリザベス・ミッチェル(ジュリエット)、マイケル・エーソン(ベン)、テリー・オクィン(ロック)、ヘンリー・イアン・キュージック(デズモンド)、ジェフ・フェイヒー(フランク)、スレイカ・ロビンソン(イラーナ)、真田広之(ドウゲン)、ネスター・カーボネル(リチャード)、マーク・ベルグリノ(ジェイコブ)
コメント:きわめて奇妙な「物語」でしかも長い。にもかかわらず一定の視聴率を全世界的に確保したのには、それなりに理由がある。もちろん商業ベースでの「仕掛け」も見逃せない。アジアからは第1シーズンから韓国人俳優を起用。さらにオーストラリア発の飛行機が墜落という設定で、クレア役のエミリー・デ・レイビンなどオーストラリアの俳優を起用。そして英国人俳優と米国人俳優を組み合わせることで、英語圏や韓国、そして真田広之の起用による日本などの潜在需要を確保した。またタイに「ジャック」が訪れるという設定でアジア圏内にも目配せしている。撮影のほとんどはハワイのオアフ島でおこなわれたというが、限られたロケーションでこれだけバラエティのある設定をもりこんだ製作者の手腕は評価されるべきだろう。
 ただ一番の魅力は…というと「謎」の中にも不可思議な魅力をもつストーリーにあるのではないか。このストーリーの中に浮かび上がるのは、一種のマザコンとファザコンの大人たち。限られた島の中で、ただひたすら飲み物や水をめぐる争いをしているが、主役級の役者の設定はいずれも家庭に問題を抱えている。となると、ここで発生した不可思議な事柄も、一種の「無意識」のなかで発生しているゴタゴタとしてみていくと解決はつく。ステップアサイドストーリーとして語られる島の外側では、一応現実味のある人生が発生している。しかし島の中では、不思議な黒い煙やタイムトラベルなどありそうもない不可思議な現象ばかり。島の外は「意識の世界」=大人の世界で、島の中は「無意識の世界」=説明のつかないいろいろな葛藤がくりひろげられる。法や道徳や規範などが支配的でない世界が島の中の世界なので、時間軸やら常識やらという枠組みすら問題にならないことが起こる。
 第1シーズンではとりあえず「光」と「闇」の対立という説明をバックギャモンに託して、設定しようとした節がある。たあ製作者は途中でそれも断念したようだ。