ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

モールス(マット・リーブス監督)

2012-04-22 | Weblog
キャスト:エディ=スミット・マクフィ、クロエ・グレース・モレッツ、リチャード・ジェンキンス、カーラ・ブオノ、イライアス・コティーズ
ストーリー:アメリカ・ニューメキシコで両親が別居中の12歳の少年オーウェンは学校ではいじめられっこ。街から出るのを夢見ていた。ある日、50代の初老の男性と雪の中裸足で歩く少女が隣室に引っ越してくる。そしてその日を境に近所では不可思議な猟奇殺人事件が続発しはじめた…
コメント:「目にみえる怖さ」が全面にでてくるハリウッド映画のなかでは、沈んだ画面が印象的だ。原作がスウェーデンのストックホルムにロケーションされているためか終始雪の場面が続く。時代も1983年に設定され、携帯電話やインターネットなどはでてこない。小道具としてルービックキューブやゲームセンターのパックマンなどが使われている。ストーリーはきわめてシンプルで、シンプルであるがゆえに、怖さと12歳の少年少女の純粋さが際立つ。主人公のオーウェンとアビーの運命はすでに冒頭で呈示されており、なんの破綻もなければこの「ストーリー」は繰り返されていくという無限地獄へ…。暗い画面のなかでときおりはさまれる日光のショットがはっとするほど美しい。
 監督のマット・リーブスは、ジョン・ボイトが主役をつとめた「暴走特急」の脚本を書き、独自の撮影技術でしょうもないストーリーともおもえば「クローバーフィールド」を監督した人。一転してきわめて静かで、しかも地味なキャストで勝負するホラー&恋愛映画を完成させた。純粋さは残酷さと通じ、グロテスクは純愛に通じる。残虐なシーンもありながらもラストはやはり「日光」と「モールス信号」の取り合わせが見事。主役のクロエ・グレースが「ほどほど」の顔つきなのが実はかえって良かったのかもしれない。画面でみるとやや顔がはれぼったいが、ストーリーが進むにつれてその「顔」が「怖さ」と「純情さ」と「狡猾さ」を巧みにトリコロールしてくる。

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