ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

モーツァルトとクジラ(ペター・ネス監督)

2008-02-23 | Weblog
ストーリー;アスペルガー症候群と診断されている青年ドナルドは、自閉症の仲間を集めて社会復帰のためのリハビリなどを自主的に活動している。いまひとつ社会にとけこめないままの毎日だったが、そこへ突飛とも思える活動的で魅力的なイザベル・ソーレンソンが集会にニューカマーとして現れる。2歳のころから他人とは違うといい続けられ、心にあった「とげとげしいもの」が次第に溶けていく二人。ハロウィンの夜を境にしてさらに親交が深まるが…。主役のドナルドの部屋がリアリティがあって興味深い。新聞紙で窓を覆い、シャワー室の内装やシャワーカーテンなども頑固そうに変えていないが、美術担当者の意気込みが感じられる。さらに服装もかなり登場人物のキャラクターを分析して作り上げていった様子がみえる。1時間半の映画ながらも、映画の製作者の意気込みがはしばしに感じられる。
キャスト;ジョシュ・ハートネット、ラダ・ミッチェル、ドナルド・モートン、ゲイリー・コール、ジョン・キャロル・リンチ、ロバート・ウィズダム
コメント;どちらかといえば、ジョシュ・ハートネットの出演している映画はかなり見ているものの、どれもいまひとつ好きになれない映画ばかり。「シン・シティ」にも確か出ていたはずなのだが、むしろ出演してほしくなかったぐらいハードボイルドな役が似合わない。というよりも映画には向いていないハンサムな役者、といった感じ。舞台でみたならばまた演技に対する見方も変ってくるかもしれないが…。一方、「サイレント・ヒル」で母親役を演じたラダ・ミッチェルが素晴らしい。この映画でも個性的な役柄を「上品に」(?)こなしているが、低予算であっただろうこの映画の中でもひときわ輝く笑顔。これ、もしかすると他の女優では成立しなかった映画ともいえるかも。台詞の内容も非常に重たい上で設定も重たいので、鳥が自然に寄り集まってくるシーンやジョシュ・ハートネットの重たい演技も無難に回避。肝心のストーリーは…なんだかなあ…。「実話をベースに」という製作者の意図とは裏腹に1時間半に凝縮されてしまうとグロテスク(?)な部分だけが拡大されてしまい、本来あるべき「はず」だったものがかえって見えなくなってしまっているという逆効果もあるのではなかろうか。ちょうど「レインマン」のダスティン・ホフマンがそうだったように…。「数は裏切らない」という信念はなんとなくわかるような気も。人間不信の反対側に「数」があるのかもしれないし、そうでないかもしれないが、「数」に執拗にこだわることが妙だとも変だとも思わない時点ですでに、製作者が想定していた「観客像」のカテゴリーから私はずれていたのかも。(あ、脚本家が「レインマン」と同じロナルド・バスという人だ…)

デパーテッド(マーティン・スコセッシ監督)

2008-02-21 | Weblog
キャスト;レオナルド・ディカプリオ、マーク・ウォルバーグ、マット・ディモン、ジャック・ニコルソン、アレック・ボールドウィン
ストーリー;L通りのサリバンの息子というだけで個人が特定されてしまう小さな町。コリン・サリバンは、マフィアのコステロに見込まれてマサチューセッツ州警察に就職する。年収3万ドルの警察官だったが、野心に燃える彼はマフィアの資金援助で国会議事堂が見渡せるコテージを借りる。一方、ビリー・コスティガンは、学力テスト満点ながらも
その出自や家族をティグナム警部からけなされながらもマフィアへの覆面捜査官を務めることになった。「家族は淘汰を繰り返す」(ホーソン)という一流の皮肉をあびせられつつも、コステロがマイクロチップ20個を中国マフィアに売却するという情報を入手。マサチューセッツ警察に潜入したスパイをあぶりだすとともにコステロを逮捕するきっかけになると思われたが…。
コメント;「インファナル・アフェア」のPART1をマーティン・スコセッシ流のアレンジを加えてリメイク。同じストーリーではあるが、アイルランド移民やアイルランド出身の有名人の名前が映画の中を飛び交う。組織犯罪をおうSIUだが同様の構図はおそらく香港やアメリカのみならず日本でもおそらく同様の工作員が入り乱れているに違いない。英英辞書で調べてみるとdepartureは「出発」「常道からそれること」という意味になるが、おそらくこの映画の場合には「the departed」=「死者」「故人」という意味も含めて運命を分岐していった人間を表現しているのだろう。マーティン・スコセッシがこの映画でアカデミー賞受賞というのにもややクビをかしげないでもないが、「アイルランドの出身のあの男が大統領」(ケネディ大統領)、ジェイムス・ジョイスといった著名人の名前がマフィアの口からもれるほどにアイルランド人の母国に対する熱愛の響きが伝わる。ただまあ、どっちかといえば原作のほうが面白かったし、どうせであれば「アビエイター」のほうがマーティン・スコセッシのアカデミー賞受賞には相応しいとも思うが、あえていろいろな批判が寄せられることは確実に予測できたであろう中で「インファナル・アフェア」をリメイクしたのであろうから、それなりにリスクの大きな冒険作ともいえなくはなかろう。



時をかける少女(細田守監督)

2008-02-21 | Weblog
ストーリー;7月13日は「ナイスの日」を鍵として、ある日突然、理科室でだれかにぶつかったときにタイムリープができるようになった女子高生紺野真琴。黒板には「Time waits for noone」と書かれていた。7月12日と7月13日の間を何度もタイムリープしていくうちに、時間をさかのぼることだけでなく、時間を待つことを学び始める高校生の夏。仲間の間宮千明と医学部進学をめざす津田巧介とともに遊びながらもしっかり大人への道をみすえはじめる。
コメント;原作は筒井康隆の名作「時をかける少女」だが場所も設定もエンディングもまるで違う新しい作品。紺野真琴のおばにあたる芳山和子がかつての尾道の主人公をおもわせる存在だが、「時をかける少女」の真髄はまさしく筒井康隆の原作のとおり。奥華子の主題歌「ガーネット」「変らないもの」の2曲がまた映画に静かな華をそえる。作画協力として目白学園中学・高等学校の名前があったが、実に「本物の高校らしい」雰囲気が全体に醸し出されている。あるべき高校ではなく、実際にある高校や街並みを地道に作画していった結果がこのリアリティのあるアニメーション映画に結実したのだろう。「人が大事なことを話ししているのになんで聞かなかったのだろうなあ」「待ち合わせの時間に遅れたら橋って迎えにいくのがあなたでしょう」といった台詞の一つ一つが計算されていて、しかもしっかり映画の流れにはまっている。東京国立博物館も映画の中に登場するが「ベルリン至宝展」のポスターまで緻密に描かれていた。商店街の様子や電車が走り抜けていく様子。アニメーションではあるけれど、この電車の走るシーンだけでも素晴らしい映画なのだと思う。低予算で最初はミニシアターのみの公開だったがその後作品の内容の素晴らしさがクチコミで伝わり、大ヒットとなったアニメーション映画作品。

もしも昨日が選べたら…(フランク・コラチ監督)

2008-02-20 | Weblog
キャスト:アダム・サンドラー、ケイト・ベッケンセール、クリストファー・ウォーケン
ストーリー;建築技師のマイケルは仕事人間。ユイマー社で代表社員になれるかどうかの瀬戸際の中、イスラムのプリンス・バビブーの無茶な設計提案や56丁目に新たにビルを建築する日本の会社ワツヒタの接待に追われていた。そんな中、夜中のスーパーマーケットでモーティといういわくありげな店員に「ややこしい生活が楽になる。お隣のオドイル家よりも優秀な万能リモコンがあります」という誘いにのって無料で購入。「way beyond」(その他の商品)と銘打たれたコーナーでそのままリモコンを家に持ち帰りクリック。そうするとわずらわしい時間が早送りされて仕事に熱中できることに…。
コメント;
 ザ・カーズの「マジック」が映画の中で流れたりしてすごく楽しい。コロンビア・ピクチャーズの映画だが、こうしたタイムトラベル的な映画は非常に手際よくうまくまとめて製作してしまう印象。同時画面再生では松井の2ランホームランのシーンが流れたり、話題の中にイチローが出てきたりと日本のアダム・サンドラーのファンにも配慮。セクハラ講座ではしゃべり手の英語をスペイン語に同時通訳したりと遊び心も満点。「人生は才能じゃない、ボスにへつらうことだ」というアメリカも日本も同じだなあなどと思わせる台詞も。クランベリー図の「リンガー」なんていう曲も流れたりして世代によっては結構、涙も流すシーンもあるかも。心臓発作のシーンで黒い傘が患者を取り巻くシーンには昔からある黒い傘の「不吉」「哀しみ」といった映画的イメージが引用されていて、予算が少ないながらもすごくよくできたコメディではないかと思う。

ウェディング・クラッシャー(デヴィッド・ドブキン監督)

2008-02-20 | Weblog
キャスト:オーウェン・ウィルソン、ヴィンス・ボーン、クリストファー・ウォーケン、アイラ・フィッシャー、レイチェル・マクアダムス
ストーリー;ジョンとジェレミーの本業は弁護士。毎日毎日夫婦の離婚調停に付き合わされるが、そのストレスを解消するのが他人の結婚式に紛れ込み、一流の料理を楽しんだ後に女性とベッドを共にすること。宗教も国籍も問わずユダヤ教やギリシア正教の結婚式に紛れ込み、楽しく過ごす毎日だったが、ある日「嘘」を見破られた瞬間から、日々の生活を考え直しはじめる。そんな矢先に、財務長官ウィリアムの結婚式に紛れ込み、冗談のつもりで始まった「嘘」が本当の愛に発展していく。嘘で固めた人生と本当の愛のすべてを愛する女性に告白する二人だが…。
コメント:「結婚式といえばコリント書だな」とか「結婚という現実的な制度」「人々の注目はいい面で集めるべし」といった格言めいた言葉が飛び交い、「師匠チャズ」とあがめる人物がラスト近くで現れるのだが、あまりの「非常識さ」にウェディング・クラッシャー図の二人もわが身を反省するという落ちもある。ウィリアム長官に接近する場面ではラテンアメリカの経済政策について論じる場面もあるが、実際に詐欺師の中でも一流といわれる人間にとっては、詐欺の対象となる人物の経済論文その他まで目を通してある程度の「しっかりした経済論」もたたかわせる知的準備が必要ということなのだろう。コメディとしてはあまり笑えない場面も多かったのだが、これは日本の結婚式が家と家との結びつきを重視しており、突然の「客」が紛れ込む余地がきわめて少ないためかもしれない。フリーでフランクで来た人だれでもほとんどノーチェックで式場に入れるアメリカと日本の文化の差でもあるのだろう。クリストファー・ウォーケンが相変わらずの不気味な役どころで、その三女の役を演じたアイラ・フィッシャーが素敵な魅力を醸し出している。アイラ・フィッシャーは独身なのかとおもいきや、夫のためにユダヤ教に改宗した子供もいらしゃる主婦。お姉さん役のレイチェル・マクアダムスとは1976年生まれで同い年だが、映画ではとてもそうは見えない…。シナリオはいまひとつだがキャストの魅力でかなり見栄えのするコメディ映画に仕上がった一つの例だろう。

機械じかけの小児病棟(ジャウマ・バラゲロ監督)

2008-02-17 | Weblog
キャスト;キャリスタ・フロックハート、リチャード・ロクスバーグ、エレナ・アナヤ、 ジェマ・ジョーンズ
 英国ワイト島マーシーフォールズ小児病棟。なにか金属的なものが電車と衝突して、病院に怪我人が大量に運び出されているというニュースがテレビ画像で流れてくる。死者10人以上。それは病院の中に住む「シャーロット」のせいだったのかもしれない。不治の病におかされた少女とある理由でアメリカから英国のはずれの島まで逃れるようにあらわれた看護婦。そして、少年の両足が原因不明の骨折をしたときに前任の看護婦スーザンは病院に住んでいるといわれる「シャーロット」の姿を見てしまった。謎を解明しようとする看護婦には強い動機が存在した。前の病院で自分は手抜きをしていたのではなかったかと自責感にかられていたのだ。そして禁断の2階を探索したときにある仮説にたどりつく…。

 どちらかといえば島の狭い空間と豊かな自然は「リング」の中にでてきたマイラのすんでいた島を思わせる。実際はそう思わせておいて最後には「違う」という展開になるのだが、占い師の双子が登場してきたり、英国国教会の牧師が占い師を紹介したりといった場面がやはりアメリカでもなく日本でもなく英国のホラーだなあと思う。ちょっとおどろおどろしい「化け物」も出てくるには出てくるのだが、わりとあっさりしている。むしろ、几帳面なまでに科学的に不可思議な現象を解明していこうとする主任医師のほうが不可思議にみえるほど。島の病院というかなり閉ざされた空間なので予算もスタントもエキストラもきわめて少ない低予算映画だが、アイデアとしてはなかなかのもの。また原題が「fragile」となっていたのだが、映画のストーリーをうまく汲み取った日本語タイトル「機械仕掛の小児病棟」もなかなかのセンスだと思う。「機械仕掛」なのは実は、病院ではなかったりするのだが、タイトルにそそられて見てしまった人が多いのではないだろうか。
 看護や介護、医療の立場にある人間と患者や被介護者との間にうまれてくる同一化…ラポールとかいったと思うが、あれは本当に不可思議な現象。ラポールが絶対的に悪いというわけではないが、本来の趣旨を逸脱し始めると確かにこの映画にあるような「非常識なできごと」が「常識的なできごと」に変化してしまう…。

パプリカ(今敏監督)

2008-02-17 | Weblog
ストーリー;アクセス制御機能がついていないPCミニが夢を研究する財団法人から盗まれた。PCミニはパソコンに夢の内容をダウンロードすることができるほか、夢の中に侵入してサイコセラピーにも応用することができる装置。PCミニに関係すると思われる事件が続出したことからパプリカとよばれるセラピストが活動開始。謎を追求していくうちに思いもかけない人物がその前に立ちはだかる…。
コメント;「夢」とデジタル装置、「夢」とウェブの共通性は非常に高いように思う。セカンドライフも一種の夢の共有だし。シナプスが電気活動であればそれをデジタル信号に置き換えてパソコンにダウンロードしてみたい…というような欲求は、突拍子もないかもしれないが、人間心理の解明には非常に役立つことだろう。夢のパンフォーカスや夢のイマジナリーラインといった作業もこの映画の中では活用されている。この手のアニメーション映画では必ずといっていいほど登場する「天才的研究者」もやはり登場。ある種のお約束キャラではあるが、他のアニメとは異なる「天才肌ぶり」がまた見ていて楽しい。サーカスのショータイムの悪夢など悪夢の原因を突き止めて不安神経症などを治療しようという発想がフロイト的だが、おそらくこうしたフロイト的な夢探索はこれからもずっと映画のテーマになるのだろう。スムースな夢の中のアニメーション効果が見ていて楽しい。

悪夢探偵(塚本晋也監督)

2008-02-17 | Weblog
キャスト;松田龍平、hitomi、安藤政信、大杉漣、原田芳雄
ストーリー;他人の夢の中に入る能力を持つ青年京一。他人の夢の中に入っては事故嫌悪に陥り、自殺未遂を繰り返す。その一方で警察庁のキャリア組だった霧島は、思うところあって所轄の刑事となり殺人事件とも自殺とも思われない事件を担当することになる。自殺事件として事務的に片付けるには不可思議な物証が多数発見され、重要証拠である携帯電話の履歴と録音からさらに、不可思議な「連続性」が発見されてくる…。
コメント;主役の松田龍平が、またその自然体の演技で「悪夢探偵」とはいかなるものであるか、を画面でそのまま見せてくれる。その一方でキャリアから所轄の警察署に「おりて」きた女刑事役のhitomiがいまひとつなんだなあ。おそらくそうしたキャリア職からおりてきて、さらに人間関係にいろいろトラブルを巻き起こすという設定であれば、このキャスティングはミスではないか。おそらく20年前にこの手の映画が製作されていれば、桃井かおりさんあたりがこの役を演じたらすごいキャスティングになっていたのかもしれないが…。「水」を中心に夢と現実の間を移動する松田龍平の姿が「睡眠」の世界と「現実」の世界がそのまま映像に…。塚本監督のサービス精神もあふれており、陰がなさそうで実は陰がある新人刑事の安藤政信の演技また心地よい。こんな演技もできるのかと安藤政信の演技にまた感動。原田芳雄の畳ずまいのサラリーマン役もまた凄みがあって素晴らしい。松田龍平と原田芳雄の共演シーンが見れるというだけでもこの映画お勧めだ。

トゥモロー・ワールド(アルフォンソ・キュアロン監督)

2008-02-04 | Weblog
キャスト;
クライブ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン
ストーリー;
 2027年11月16日英国ロンドン。荒廃しきった英国の首都ロンドンで珈琲を飲もうとする瀬尾。エネルギー省に勤務する国家公務員だが人類が生殖能力を失って18年。世界中が殺伐とした雰囲気の中でまた爆弾テロが発生。世界中が荒廃する中で英国への移民希望者も多数いたが英国政府は入国には通交証の提示を求めていた。そうした中、入国者の人権擁護を訴える反政府組織「fish」に拉致されるセオ。従兄弟ナイジェルが文化大臣を勤めており、その子ねで通行証の入手が可能かどうか、そして人類の将来を託されるある意図で元妻のジュリアンに「頼みごと」をされたのだ。

コメント;
 なんともいえない荒廃感覚。そして撮影の舞台が英国ということがさらに「荒廃」した感じを画面に与える。英国の農家の様子などが伺えて非常に面白く、さらに分かれた妻のジュリアンがんぜゆえにセオを頼りにしたのかもストーリーの最後のほうになってくると見ている側にも分かってくるという仕掛け。国家治安法にもとづく統制が続く中、度胸と機転で「目的地」までたどり着き静かに最後を迎える…。なにもかもが政治的に仕組まれた中で人間がいかようにも暴力的にあるいは利己的にふるまえる姿を描きつつ、その中で自分のポリシーに準じようとする時代遅れのヒーロー。舞台は未来だがヒーロー像は1960年代。しかし21世紀に必要なのは、そうした滑稽かもしれないヒーロー像かもしれない。

スネーク・フライト(デイヴィッド・エリス監督)

2008-02-04 | Weblog
ストーリー;
 ハワイのオアフ島。マウンテンバイクでハワイの風景を切り裂きながら走るショーン。しかしバイクが横転したときに、地元のギャングエディ・キムが人を殺害する場面を目撃。FBIのヘイズ刑事はロスアンゼルスまでショーンを護衛してホノルル国際空港から出発することに。同じ飛行機の中には3GSというヒップホップの歌手トロイ・リロイ、スチュワーデスのクレア、メアリー・ケイトという犬、機長のリックなど個性的なメンバーが搭乗。しかしエディ・キムはレイの中に蛇を刺激するフェロモンをまぜ、大量の蛇を飛行機に搭載した(蛇は変温動物なので熱探知機をくぐりぬけた…という設定)。そしてホノルルを出発した飛行機は高度10,000メートルを超え、蛇は活動を始めた…
キャスト;
サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアナ・マーグリーズ 、 ネイサン・フィリップス 、 レイチェル・ブランチャード 、 フレックス・アレクサンダー
コメント;
 非常にばかばかしい映画ではあるが、これぞパニック映画の真髄を安いコストで表現したともいえる。途中ででてくる米国中毒情報センターの「ヘビ博士」のスティーブン・プライス氏は役に立ちそうでぜんぜん役に立っていないし。タイのキックボクサーも同乗していてヘビにキックをお見舞いしたりする。そして最後はフラフラになりながらもやはりとうか当然というべきかハッピーエンドになるわけだが…107分の上映時間を長いとみるか短いとみるかは見る人の日常生活の「状況」による…。

ラッキーナンバー7(ポール・マクギガン監督)

2008-02-04 | Weblog
ストーリー;
 まるで関係がないような2つの事件がからみあい、そして最後に結末がしっかりあう…。1979年ラッキーナンバー7という馬に薬物使用をして「いかさま」をしようとした一団。しかしそのいかさまは地元のギャングにばれて関係者は始末されてしまった。それから20年が経過して、当時1つの組織だった地元マフィアは2つに分化していた。そこに現れたかつての「殺し屋」…
キャスト;
  ジョシュ・ハートネット 、 ブルース・ウィリス 、 ルーシー・リュー 、 モーガン・フリーマン 、 ベン・キングズレー 、 スタンリー・トゥッチ
コメント;
 途中でだんだんネタが見えてくるのが難点ではあるが、ジョシュ・ハーネットの前半と後半の演技の変化ぶりは結構評価。007シリーズや「北北西に進路をとれ」などへのオマージュも。ダニー・アイエロが競馬のノミ屋の役でチョイ出演しているのにも好感がもてる。撮影方法も前半と後半とではかなりスタイルを変えているが、それが散漫な印象を観客に与えたかもしれない。「カンザス・シティー・シャッフル」と一言にいってのけるブルース・ウィリスもなかなかの演技ではあったが、やはりラビ役を演じている宗教者でもありマフィアでもあるというベン・キングスズレーとそのライバル役のモーガン・フリーマンの共演はすさまじい。淡々としつつもしかし怖い演技…。

カオス(トニー・ギグリオ監督)

2008-02-04 | Weblog
ストーリー;
 パール・ストリート橋でのちょっと前の誘拐強盗事件の処理が冒頭に示される…。そしてその事件にかかわった二人の刑事のうち1人は懲戒免職、1人は停職処分となった。シアトル市警の中での複雑な人間関係をひきずりながらも銀行強盗事件が発生。犯人のローレンツからは停職処分中のコナーズ刑事が指定された。「理論どおり実践してもミスが出る。混沌の中にも理論がある」と60年代のエドワード・ローレンツの法則を残し姿を消す…そしてパターンが次第に映画にあらわれ点と線を結ぶと事件の中に「秩序」が見えてくる…。

キャスト;
ジェイソン・ステイサム、ライアン・フィリップ、ウェズリー・スナイプス、ジャスティン・ワデル

コメント;
 まあ、正直、この手の事件ものの映画では「禁じ手」のストーリーなのだが、カオス理論や大乗仏教なども引用される一方で大学を卒業していないベテラン刑事が新人の刑事に向かって「ヒュー・タブ大学?有名大学か名もない公立大学か?」と皮肉をいうあたりにアメリカ市警の独特の複雑な人間関係が見て取れる。そしてこの映画の背後にあるのがやはりイスラム金融。オイルマネーともいわれたが今はむしろイスラム金融勢力と表現したほうがいいのかもしれない。それなりに楽しめる「混沌オタク」の刑事が複数登場するサスペンス映画。

のだめカンタービレ①②

2008-02-04 | Weblog
 DVDをレンタルしてきたが2巻目で挫折。けっして面白くないわけではなく、管弦楽部出身の自分としては完成度の高さに驚く。「魔笛」の主役を奪われて自棄酒を飲む「敵役」のヒロインとか、ウィーンでヴァイオリンとピアノを習得し、飛行機にのれないことが最大の弱点である指揮者志望の主役とかキャラクターとしても非常に面白い。「動物のお医者さん」シリーズの芸術大学バージョンといったところだろうか。ベーt-ベンの交響曲7番を音楽大学のおちこぼれだけで演奏するシーンなども秀逸。
「自分の世界は自分で変えなければ…」「オレなりに形にしてみよう…」といった台詞に才能のほかに必要なものがあると気づく主役のキャラの成長がみてとれる。

 「そこのビオラ、音出しすぎっ」という台詞は面白かったなあ(かつて自分自身がいわれたことがある…)

神の左手悪魔の右手(金子修介監督)

2008-02-04 | Weblog
ストーリー;
未来を予知する能力をもち、また被害者と非常に意識が共通するといった特殊能力をもつ山辺想。そしてその姉泉。人形を拾った善良な少女が惨殺された事件をきっかけに、姉泉は犯人の家にたどり着く…そしてそこで目にしたものは…
キャスト;
渋谷飛鳥 、 小林翼 、 前田愛 、 清水萌々子、かでなれおん
コメント;
 途中で梅図かずおさんご自身も出演。なんだろうなあ。原作の怖さというのはやはり絵のタッチのせいもあるのかもしれないな。ストーリー自体はそもそも「スピリッツ」の連載当時から実は破綻していた。にもかかわらず人気があったのは「破綻」していても「怖い」と感じる原作の迫力だったのだろう。映画にしてしまうと、そのタッチの怖さは消え、代わりに浮かび上がってくるのは、主役の「想」の学芸会の演技のような虚ろさ…。「赤い携帯電話」が大事…といいつつ、壊れた赤い携帯電話で無意識の想と連絡を取り合う姿はホラーというよりもやはりスピリチュアルの世界だな…。犯人が消滅したことで被害者の拡大はなくなったが、しかしそれにしても誰もハッピーにはなっていないというのもこの手の映画としては後味悪し。

オーメン666(ジョン・ムーア監督)

2008-02-04 | Weblog
ストーリー;
 イタリアに赴任していたロバート・ソーン外交官夫妻は2001年6月6日の午前6時に病院で子供を産む。そしてその後、いくつかの「エピソード」を織り込んで外務省ルートとして34歳の若さでエリートコースの駐英大使として赴任。子供ダミアンは成長してきたが、次第にその周囲で謎の事件が相次いで発生…。
キャスト;
リーブ・シュレイバー、ジュリア・スタイルズ、ミア・ファーロー
コメント;
 前作「オーメン」の完全リメイク版。前作でグレゴリー・ペックが演じた役をリーブ・シュレイバーが、そしてその妻役にジュリア・スタイルズ。子育て役としてミア・ファーロー・これはあれかな。「ローズマリーの赤ちゃん」を意識したんだろうな。原作の「オ^メン」シリーズは「オーメン4」まで続き、オーメン3ではサム・ニールが32歳のダミアンを演じている。そして「オーメンオーメン」では今度は少女ディーリアに悪魔がとりつくという結構なシリーズになったのだが、その「オーメン」第1作をあまりにも完璧にリメークしたのと、バチカンで「3つの流れ星」「コロンビア不時着」「気象状況」「EUの誕生=ローマ帝国理論」などを「オカルト」も真っ青なほどヨハネの黙示録第8章7節との因果関係を「立証」する「論理」で悪魔の再来を予測するあたりでもう…頭がついていかなくなってくる…。こういうのははまる人にははまるのだろうけれど、「無茶な理屈だ」と思うとそれだけでもう受け付けなくなる自分を再発見する…。とはいえ悪魔を一種の「シンボル」を考えると「ジャッカル」が英国に頻繁に現れたり、「メギド」という言葉が何度も映画の中で品術ちチェルヴィテリという「村」にあるエルトリア時代の墓…といった設定はなかなかいい。英国式庭園の様子を画面で楽しめるのもまあ悪くはないが、まあ悪いといえばこのご時勢に「オーメン」をリメークしようとした映画会社というか製作者が悪いのであってリーブ・シュレイバーは結構いい演技してたな…。