ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ぼくのエリ 200歳の少女(トーマス・アルフレッドソン監督)

2012-05-19 | Weblog
キャスト:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナル、ヘンリック・ダール、カーリン・ベリ
ストーリー:ストックホルムで母親と二人暮らしのオスカーは学校ではいじめられっ子。一人で遊ぶ毎日だったが、ある日隣の部屋に同い年の女の子オスカーが引っ越してくる…。そして街では残虐な連続殺人事件が発生するようになった…。
コメント:マット・リーブス監督により、アメリカで「モールス」としてリメイク。リメイクのほうを先にみたが、原作はこちらのスウェーデンの作品。なんというかストックホルム郊外とアメリカ郊外とではまず空気の質感が違う。アメリカは冬のテキサスという設定で一応雪景色にしているのだが、雪のずしっとした重みはやはり原作のほうが圧倒的に素晴らしい。そして「物語」だがアメリカ作品は時間軸をあえて2週間ずらしている。時間軸のずらし方はアメリカ作品のほうがうまい。冒頭で「あれ?これどうして?」という観客の興味を引くにはスウェーデン作品、やや弱い。さらに「どうして引っ越してきた女の子は雪の中を裸足なんだろう?」という足に着目した見せ方もアメリカのほうがうまいなあ。
 アメリカ作品もスウェーデン作品も主人公の父親は離れて暮らしているが、スウェーデン作品では父親の存在は画面に出てくる。ただし息子はなんとなく疎外されているという位置づけだが、アメリカ作品は狂信的なキリスト教徒の母親と電話でしか会話しない父親という設定。父親不在が画面にでてこない分だけアメリカの方が強烈だ。
 ただアメリカ作品、やはり「ゾンビ」をうんだお国柄だけあってなんでもかんでも見せよう…というのがやりすぎの感もある。なんでもかんでも見せたいからアメリカでは1980年代に時代設定したのかもしれないのだが、「化け物登場」やらなんやらという場面をあまりみせられると食傷してしまう。「パラノーマル・アクティビティ」みたいな見えない恐怖とかもっと逆に追求する演出もあったかもしれない。ストーリーはほぼ同じなのだが、映像の切り取り方で別の作品になってしまうという面白さ。昔「勝手にしやがれ」をリメイクしたリチャード・ギア主演の「ブレスレス」という映画も見たが、ああなるほどリメイクとはあくまでもストーリーとごく一部の設定だけを借りるということなのだ、ということを理解。

 映画の中でオスカーが「女の子じゃない」と自らを評する場面があり、これは翻訳が「難しい」シーンだが「もう大人なんだ」の意味合いで「フリーク」とか「化け物」という意味合いではない。


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2 コメント

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Unknown (通りすがり)
2012-05-19 14:17:05
>女の子じゃない

それは実は文字通りの意味なのです。
ネタバレになるので書きませんが、「ぼくのエリ ぼかし」で検索してみてください。
Unknown (ごとりん)
2012-05-19 20:22:58
>通りすがりさん
ご指摘ありがとうございます。あの「ボカシ」非常に理解に苦しむ「ボカシ」でしたが、「エリ」は「女の子」ではないという絶対的な意味合いで解釈するのが正しいようですね。私はもうひとつひねっていました。しかしそうなると「ボカシ」が入らなかったほうが、むしろ作品には深みがでてきたような気がします。なんだか残念ですね…。

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