ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

絞殺魔(リチャード・フライシャー監督)

2013-10-21 | Weblog
キャスト:トニー・カーティス、ヘンリー・フォンダ、ジョージ・ケネディ、サリー・ケラーマン、アレックス・ロッコ
ストーリー:1958年、ボストンでは謎の絞殺魔が殺人を繰り返していた。最初は独り住まいの老人のみだったが、それが次第に二人暮らしの若い黒人女性などに被害が拡大。テレビでは見知らぬ人間を室内には入れないように再三注意を呼びかけるがそれでも被害が後を絶たない。そこへ偶然配管工が家宅不法侵入で逮捕された。刑事はその配管工の左手の傷に注目する…
コメント:リチャード・フライシャー監督の名作といわれていた作品。それがなんとツタヤでレンタルに出ているのを発見して早速見てみた。B級映画監督としてひっそり映画史に名を残すのみの監督だが、スクリーン分割や斬新なショットなどはやはり天才の技。「センチュリアン」「バラバ」といった他の名作とともに今後もこの作品を見る人は増えていくに違いない。
 で、この作品は実際に1960年代にボストンで発生したボストン絞殺魔事件をモデルにしている。映画では「解離性同一性障害」として「善人」と「悪人」が同居する複雑な性格の主人公をトニー・カーティスが熱演していたが、実際の犯人は幼児期に虐待を受け、その後数々の凶悪犯罪を積み重ねてきた極悪人だった。その後刑務所内で何者かに刺殺されている。映画ではそうした実際の「物語」からエッセンスを抜き取り、いわば「近代的殺人」から「構造主義的殺人」へ時代が変化していく様子を表していた。
 それまでの映画が「動機→実行」という原因と因果の関係で説明できるものだとすれば、映画の中の殺人は「人格が定まらない」「人格がデサルヴォのどの人格によるものなかがわからない」「こっちのデサルヴォならば無罪だがこっちのデサルヴォならば死刑だ」という得体のしれない結論に至る。まるで前衛映画のように真っ白な空間のなかに佇むトニー・カーティスはすでに理屈が通らない世界で無間地獄に陥っているようにも見えなくはない。
 この映画が1968年に制作。そしてレヴィ=ストロースによる「野生の思考」が発表されたのが1962年。構造主義やポスト構造主義が世間に広まったのが1960年代だからちょうど時宜には即していたのだろう。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちヮ♪ (七子)
2013-10-21 10:35:54
ブログ 更新されてるぅ~♪
ご無沙汰しておりマス。
ごとりんさん~お元気ですか??
ルピです。
ブログ「かえるのお姫様」ヮ 随分前に 閉めちゃったので
ブックマークを今のブログに変更して下さぃね☆笑っ~
今のgooブログヮ のろけばっかですが・・・

引越しして 近くにツタヤがあるのー。
こゆ怖ぃ系ヮ 借りなぃケド。。。
先日 「鴨川ホルモー」借りて観マシタ。
面白かったデス。

また お邪魔しマス♪
返信する
ルピさ~~ん (ごとりん)
2013-10-25 00:29:17
ルピさん こんばんは==(^_^)
ノロケばっかりとは羨ましいかぎり==「かえるのお姫様」が途中でリンク切れしていたので非常に心配していましたが、ノロケばっかりということで安心しました==私の近所のレンタルビデオ屋さんもお店を閉めてしまったので、遅ればせながらツタヤに加入しました。便利で料金も安いですけれど、妙な作品ばっかり揃えていたあのアナログなレンタル店も懐かしい。ブログ遊びにいきますね(^_^)
返信する

コメントを投稿