ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

グリード(エーリッヒ・フォン・シュトロハイム監督)

2008-01-08 | Weblog
ストーリー ;炭鉱で働いていたマクティーグは巡回歯医者についていってサンフランシスコで無免許で歯科医を開業する。そしてそこで知り合った友人の恋人と結婚するが…
出演;ギブソン・ゴウランド 、ザス・ピッツ、ジーン・ハーショルト
コメント;1924 年の作品。グリフィスと並ぶハリウッド映画創世期の名作品だが、あらためてみると最初はやはり退屈なものの1時間を超えるあたりから、白黒画面独特の演出によって恐怖感がただよう。そしてラストで圧倒的な手わざで終わる。映画史に残る…というだけでは、多分21世紀以降、この映画をあえてみようとしたり、あるいはDVDを買おうという人も少なくなるはずだが、現在のハリウッドが抱えるほかの作品「逃亡者」「死の谷」といった作品をもおそらくしのぐ出来栄えとそして面白さがあるがゆえに廉価版として書店やCDショップでも販売され、そしてまたそれを見る観客がいるのだろう。
 1910年代後半からいわゆる脚本を基本とした映画化がなされ、脚本を元に工程別の映画作り(産業化された映画化づくり)が始まったとされる。その中で「愚かなる妻」などでとんでもない予算で映画化をしたエーリッヒ・フォン・シュトロハイムはユニバーサルを追い出され、また映画化するチャンスにめぐまれて作成されたのがこの作品。「死の谷」で迎える予想もしない(あるいは予想される?)ラストは本当に衝撃的だし、馬がもがき苦しむ様子や鳥や炭鉱の風景。また坂道にある新婚夫婦の住まいがどんどん「黒い家」になっていく様子などがすばらしい。ストーリーももしかするとより現代的だが、撮影方法も1920年代の限られた手段の中で最高を追求したものなのだろう。汽車が走っている様子や人々が結婚式で手づかみで鶏肉にむしゃぶりつく様子。さらに肉屋で肉を購入する様子など見ていて飽きない。おそらく今のハリウッド映画で描写される1920年代と実際に1920年代に作成された映画の中のアメリカとは全然違うものだということにも気がつく。廉価版には「音楽」が入っていないものと入っているものとが著作権の関係上あると思うが多少値段は高くても音楽や解説が入っていたほうがよりシュトロハイムの映画を楽しめると思う。まずは映画史の名作品と構えてみえるのではなく、音楽入りで楽しくみることからはじめるべきではなかろうか。で、おそらく途中で現在の映画がいかにこの名作品に多くを負っているかに徐々にきづくようになる…。
 1つの作品が無数の映画にイメージを与える。この影響力が名作の名作たるゆえんで、さらには何度みてもやっぱりそれぞれに面白い…。すごい…。

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