ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ドッグヴィル(ラース・フォン・トリアー監督)

2008-01-05 | Weblog
ストーリー ;ロッキー山脈のふもとにある小さな村ドッグヴィル。冒頭で道徳の退廃を憂えたトムが村で集会を開き、「道徳」について考えようとする。そこへギャングに追われてきたグレースが登場。村人にグレースを紹介して、試用期間のあと、ギャングもしくは警察に引き渡すかあるいは村全体でかくまおうかということになるが…。村の出入り口は事実上ジョージタウンに向かう道一本で俳優は扉や道路をすべて演技と音声で表現していく…。
出演;ニコール・キッドマン 、ポール・ベタニー、クロエ・セビニー
コメント;製作したのはデンマークだが、出演している俳優がとにかく豪華。前知識がないままに見ていたら「え…」というような大物俳優が端役で出演している。合計3時間にも及ぶ大作だが見始めるとあっという間だ。性格の悪い飲食店の女主人にローレン・バコール、ナレーションを「エレファントマン」などのジョン・ハート、ギャングにジェームズ・カーン。とにかく「突飛」な設定で物語が始まり、あんまり舞台芸術中心の映画は好みではないのだが俳優の熱演に引き込まれてしまう。やっぱり競争の激しい映画世界でトップクラスの俳優が集まるとさして予算がなくてもこれだけの「物語」が演出できたりする。やや露悪的すぎて途中で気分が悪くなるのだが、それはそれでここまで具合を悪くさせてくれる殺風景な映画というのは面白いのかも。空想と現実の世界に遊ぶ主人公がまたとてつもなく気持ち悪いし、他の村人もまた…。赤狩りで恋人のハンフリー・ボガードと戦ったローレン・バコールがこうした役を演じるために出演するというのも意味深でラストシーンのあとタイトルロールに映し出される報道写真も非常に「意味」がありすぎて怖い。ナレーションは「なんの答えもない」と観客を突き放すのだが、舞台装置のようなところでよくこんな激しい演技をニコール・キッドマンは展開できたものだ。かえって非常にやりにくいところもあったとは思うのだが人間の偽善やら小市民性やらといったことをすべて「告発」しているようなストーリー(全部で9章)となっており、非常に具合が悪い。つまり誰しも思い当たるような自己弁護などが延々と展開されるため逃れようがないくらい追い詰められる…。
 ラストでは「ギャングと他の世界とでさして違いはない」などと断定されてしまうわけだが…。オチはありふれているがプロセスが非常に巧妙。いや、根性がなければ見続けるのは辛い映画だ…。

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