ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

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ゴーストシップ(スティーブ・ベック監督)

2007-12-30 | Weblog
ストーリー ;1962年に行方不明となった豪華客船がベーリング海に漂流しているのが発見された。サルベージ船のグループはその回収に乗り出すが‥
出演;ガブリエル・バーン、ジュリアナ・マーグリーズ、ロン・エルダード
コメント;幽霊船といえば昔懐かしき恐怖話を思い出すが、この映画ではデジタル機器を備え付けた最新のサルベージ船を描く。映画の途中でローレライ、マリーセレストといった有名すぎるほど有名な船の名前が飛び出す。これらは物語の伏線ともなるがこの映画のローレライは思いもかけぬ人物が該当する(もともとはライン川沿いの妖精だが)。舞台設定はまず1962年。ただしマリーセレスト号は1872年なので、その90年前。船長とその船員7名がニューヨークからトリポリへ向かう最中に約1ヵ月後ジブラルタル海峡沖で無人で発見された話である。もっともコリン・ウィルソンは、その原因を科学的に証明しており、マリー・セレストの謎は謎でもなんでもないということになる。
 とはいえこの映画明らかに「タイタニック」を意識して作成されている。船の沈み方やダンスシーンなどはパロディかと思うほど。予算の関係でエキストラが揃っていないだけだが、幽霊船にはちょうどよいチープさが漂う。また、映画最後に描かれる「回想シーン」のスピード感はなかなかのもの。人間の身体がロープでスパっと切れる感覚は漫画の「寄生獣」を思わせる。
 なお製作にはジョエル・シルバーとロバート・ゼメキスが名を連ねる。ラストはなんとなく「キャスト・アウェイ」を彷彿とさせる気もする。また「エイリアン3」「ユージュアルサスペクト」「タイタニック」「エルム街の悪夢」「フェノミナン」といった過去の映画へのオマージュがたっぷり。ガブリエル・バーンの死に方がなんとなく映像的にはきれいなのだが、もう少し青みがかった照明できれいに撮影していたら、などと思う。この手の映画ではラストになんらかの精神的カウンセリングの場面などを織り交ぜていくとヒッチコック的な深みも出るのに‥。デジタル社会ではこうした幽霊船モノはなかなか作りにくいだけに、製作者の意地をもう少しみせてくれればありがたかった‥。

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