ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

チェ・ゲバラ(マルセロ・シャプセス監督)

2007-12-30 | Weblog
ストーリー;1928年生まれのアルゼンチン人エルネスト・ゲバラの主にメキシコからキューバ革命樹立までの時代を描くノンフィクションルポ。
コメント;チェ・ゲバラというのは実はあだ名で本名はエルネスト。「チェ」は「you」とかそうした意味合いに近いようだ。愛称なのだろう。キューバでなぜ共産主義革命が成功したのかは、やや不明なのだが、少なくともカストロとこのゲバラという歴史に残る人物が大きな役割を果たしていたことには間違いないのだろう。映画の中ではゲバラが武装革命のみならず、冷静に東欧社会主義の限界をみすえていたことも紹介している。実際に東欧社会主義は崩壊してしまったわけだが、貿易や教育といった社会的基盤を重視する方向性は当時の共産主義運動では相当に珍しかったのだろう。また共産主義者の多くは政権をとると同時に「私腹をこやす」「極端な弾圧を加える」といった例がみられるが、キューバの場合にはカンボジアのような大虐殺もなければ、文化大革命のような思想統制もなかった。ゲバラはなんとアメリカで演説をしたり、フランスでサルトルなどと対談をする一方で産業も重視するというかなりの戦略家だったのだが、この39歳でボリビアで殺害される人物がなぜにここまで歴史や社会の行く末をみとおしていたのかはまったく不明だ。勇敢であると同時に自らの苦手な部分をも認識していたというこの人物は、「権力を握らないことで歴史に名を残した」ともいえるのかもしれない。
 なお、映画「父の祈りを」の主人公は獄中の中でこのゲバラの写真を壁にはっている。主人公はアイルランド独立運動の活動家であって共産主義者ではないわけだが、こうした普遍性もかなりすごいことではある。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿