ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ミッション・インポッシブル3(J.J.エイブラハム監督)

2008-01-16 | Weblog
ストーリー;バージニア交通局に勤めているという名目でIMFの訓練教員イーサン・マシュー・ハントは情報局の現場からしりぞき、ワナカ湖で知り合った看護士として働いているジュリアとその家族と結婚式の前祝をしていた。そんな中、緊急出動の要請の電話がかかってくる。かつての優秀な教え子リンジー・エリザベス・ファリスがベルリンで行方不明になったというのだ。武器商人あるいは情報商人であるオーウェン・デヴィアンにとらわれた可能性が高いという。オーエン・デヴィアンは情報を販売してパキスタンから北朝鮮に核物質の輸入などをして大量に稼いでいるといわれているが肝心の本人の情報はまるで確保されていない。作戦責任者マスグレイブの要請で仲間4人とともにベルリンに向かうが…。その後情報局のブラッセル局長に叱責されたイーサン・ハントはバチカン市国に出席するというオーウェン・デヴィアンの誘拐作戦に乗り出す。カメラ200台、18メートルの壁をクリアして作戦にとりあえず成功、そしてマイクロドットの磁気再生に成功したイーサンはおどろくべき内密者がいることを知る。8億5千万ドル(約900億円)の価格がついた「ラビットフット」の奪うが、またも失敗。マスグレイブの助けを受けてIMFから上海に向かい、地上56階のヘンシャル・ルー・ゼルビルから再び「ラビットフット」を奪回して、再びイーサンはジュリアの救出作戦に向かう…。
出演 ;トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ローレンス・フィッシュバーン
コメント;ミッション・インポッシブルシリーズの中では実はこの第3作目が一番面白かった。ジョン・ウーの第2作はやや「気取り」がみえて好きになれなかったが、バイクの追走シーンは印象的だった。この第3作でも「バージニア交通局」に突如向かうトム・クルーズがバイクを走らせているシーンがほんの少し出てくるのだが、これは第2作を意識した演出ではないかと思う。ラビットフットの具体的内容は最終的には明らかにされないのだが、オックスフォード卒業の分析官が「怪しいテクノロジーに金を出し、それが世界を滅ぼす。それは神への冒涜だと教授が言っていた」という台詞をしゃべるシーンがあり、観客にはおのずとその中身が「ろくなものではない」ことが印象づけられる。バチカン市国への進入作戦の様子は非常に面白く、カタコンベの様子や「バチカンはバチカン」という台詞の中に機密を世界でも最大級に維持している独立国家についてはプロの情報局でも一目おいていることが示される。ハイテク機器が満載でかつての007シリーズや第1作・第2作よりも衛星放送やハイテク武器の現実的な使用方法が画面で展開。実際にはありえないがハイテク武器がもし活動する場面になればこうなるしかないだろう…という必然性を製作者が維持しているのが面白い。やっぱりリアリティがないアクション映画はつまらないし、そのリアリティに細部までこだわるあたりが、この第3作の凄いところか。頭の中に埋められた小型爆弾を破壊するために150ジュールの電流を頭に流さなければならない、そのためには充電をしなければならない、と段階をおって映画の画面が展開していったり、地上何メートルのビルがあるから振り子の原理でこう移動できると図解入りで観客にも説明してくれる。こういう細かいところにこだわるアクション映画は貴重だ。
「交通分析は生き物なんだ」
「ケルヴィン」(とイーサンは映画の中でよばれる)
クールな台詞の言い回しもなかなかシリーズ3作目にしてはむしろ1作目、2作目を上回る。
 悪役のフィリップ・シーモア・ホフマンがやはりアカデミー主演男優賞らしい堂々とした悪役ぶり。情報を売買している武器商人ともなれば、おそらくこういう振る舞いをするであろうという緻密で用心深く、そして復讐を冷静におこなう様子を縁起する。
(ケルビン)
 字幕では「ケルビン」となっていたが、おそらくこれは「ケルビム」を翻訳するのが正しいのではないか。旧約聖書に出てくる半身半獣の天使のことで、「創世記」では「神は人を追い払い、エデンの東にケルビムと…を置き、生命の樹への道をみまもらせることにした」とある。半人半獣という意味ではジュリアに対しては普通の勤め人の顔、IMFについては冷酷なスパイという二重の顔をもつイーサン・ハントを皮肉ったコードネームといえる。「ケルブ」そのものは「知性あるもの」という意味に中東地方ではなるらしいのだが、中国語、イタリア語、ドイツ語を映画の中で使いまくるトム・クルーズはハイテク機器や武道のみならず語学にも堪能な様子を見せる。そして翼をもつケルビムは中国のハイテクビル56階に飛び移るシーンでまさしく空を飛ぶ…。

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