ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

恋愛小説家(ジェームズ・ブロックス監督)

2007-12-31 | Weblog
ストーリー;恋愛小説を書くメルビン・ユドールは黒人にもユダヤ人にも平気で差別的な、しかもウィットにとんだ罵倒をいうことで知られている小説家。そしてまた強迫神経症でもあり、道路の「割れ目」を踏むことができないし、外食するにも自分専用のフォーク持参という変わり者。彼が懇意にしているレストランでは座る席はいつも決まっているが給仕をするウェイトレスも決まっている。病弱な息子を育てるキャロル・コネリーが給仕をしないと食事ができないのだ‥。
出演;ジャック・ニコルソン 、ヘレン・ハント、 グレッグ・キニア
コメント;ジェームズ・ブロックスの映画は「ブロードキャストニュース」「ザ・エージェント」「ビッグ」などをみていた。「ザ・エージェント」ではキューバ・グッテンバーグがアカデミー賞を受賞し、レニー・ゼルウィガーもたしか出演していた。演出そのものは退屈極まりない映画だったが、俳優の演技はとにかく楽しめる。この映画も監督の映画ではなく、俳優の映画であり、とにかく最高に面白い。昔懐かしき「ある種の思い出」を想起させるワザにこの監督は長けていると思う。人種差別的罵詈罵言を知的な感じでいいまくるジャック・ニコルソンも最高。それを受けて演技をするヘレン・ハントは「ツイスター」でも魅力的な女性だったがこの映画ではさらに美しい子持ちのウェイトレスを演じる。物寂しげだがしかし気が強いという役回りが「ツイスター」と連続している。グレッグ・キニアも「ベティ・サイズモア」では野暮ったかったが、この映画では「破産したゲイ」という難しめの役をきっちりこなす。子犬のバーデルもとにかく可愛い。よくもこんなに器用な犬の表情をフィルムに収めることができたものだ。ボルチモアまでの自動車の旅の映像や、自信を失った画家がお風呂のヘレン・ハントの後姿に創作意欲をわかせるシーンも秀逸。
 「自分を見失う」大人が自分をまた取り戻すプロセスを描いているともいえる。俳優は自分のアイデンティティをいったん失い、そしてまた取り戻すというプロセスの繰り返しだから、さらに映画の中にキャスティングがぴったりはまるのかもしれない。
 日本の映画タイトルが野暮ったいのだが原題の「As good as it gets」のニュアンスを日本語にうまく訳すのは相当に難しい。「it」は状況をあらわす意味で使用されており、「そんなものだろうなあ」とか「よくなってきたなあ」とかいうニュアンスだろうが‥。
 この映画が俳優の映画である証拠に、ヘレン・ハントの息子を診察する医者の役をローレンス・カスダン監督、ハロルド・ライミス監督などが「特別出演」している。


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