ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

父の祈りを(ジム・シェルダン)

2007-11-23 | Weblog
ストーリー ;1976年英国政府とIRAの抗争が激化する中、「ギルフォード4」事件とよばれる司法犯罪があった。アイルランド・ベルファストを故郷にもつコンロンはロンドンでパブ爆破事件の最中、ヒッピー暮らしをしている‥
出演 ;ダニエル・デイ・ルイス エマ・トンプソン ピート・ポスルスェイト
 1970 年代の北アイルランドの抗争は確かにこうした血で血を洗うドロドロした状態であったに違いない。刑務所の中でも英国人とアイルランド人、そして白人と有色人種の抗争が描かれている。しかしもともとカソリックの敬虔な教えに準じる人々も多かったはずだ。事実にもとづく映画化であるが、閉じられた空間の中での人間模様がすばらしい。アイルランド過激派の闘士の憎憎しさも相当なものだ。
 「ゴッドファーザー」を刑務所の中で映写中にある種の「惨劇」が起こり、テロリストから主人公は決別し、聖書を手に取る。ニーノ・ロータの調べが、「ゴッドファーザー」とはまた異なる「悲劇」を予感させる。ベルファストの風景は美しく、またヒッピーが逮捕されてからやつれていく様もまた俳優人の演技力の確かさを見せ付けてくれている。こうした監獄物はあまり好みではないが、最後まで飽きずに楽しむことができた。金属泥棒が最後には非暴力主義の人間として裁判所からでてくる場面はとりたてて盛り上がる場面ではなく、むしろ刑務所の窓から無数の「火」が死者への弔いとして投げかけられるシーンが印象的。これは司法映画というよりも、むしろ宗教映画的な要素が強いとも思える。

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