米国の小売り大手や外食チェーンが、相次いで「健康」に配慮した食品の販売強化を打ち出しているそうです(読売新聞)。米国人は大きい人が多いという印象がありますね。背ももちろんですが、横にも。こうした肥満は、生活習慣病に伴う医療費の負担を増大させているのは、日本と同じです。米国では子供の3分の1以上、成人では3分の2以上が「体重過多」、もしくは「肥満」。肥満が原因の経済的損失は、生産性の低下などを含めると2003年の約750億ドルから、2018年には3430億ドルと5倍近くに増えるとの専門家の試算もあるそうです。米農務省長官は先月、「現状は無視できない危機的な状況だ」と述べ、生活習慣病による医療費などの負担増に強い懸念を示したそうです。こうした中、肥満解消へ向けた社会的取り組みが行われ始めているそうです。ミシェル・オバマ米大統領夫人が子供の肥満率の低下に積極的なこともあり、肥満対策がさらにクローズアップされているという背景も。例えば、ファストフード最大手の米マクドナルドは1月から、欧米では朝食の定番メニューの一つ「オートミール」を全米約1万4000店のメニューに加えたそうです。つぶしたオーツ麦(カラスムギ)を煮て、かゆ状にしたオートミールは食物繊維が豊富だそうです。1・99ドル(約160円、税抜き)の小型カップ(砂糖なし)でハンバーガー1個分とほぼ同じ260キロ・カロリーですが、ハンバーガーより高い満腹感を得られるそうです。オートミールは、コーヒーチェーンのスターバックスが2008年に米国内で売り出しヒットした実績があるそうです。ミシェル・オバマ米大統領夫人が子供の肥満率の低下に積極的なこともあり、肥満対策がクローズアップされている。「健康」への取り組みは、外食産業以外にも広がっている。さて、米国人の満足度は。そして日本はどういう方向へ向かうのでしょうか。
湖水などにすむミジンコが約3万1000個もの遺伝子を持つことが分かったそうです(YOMIURI ONLINE)。人間の遺伝子は約2万3000個に過ぎず、ミジンコの遺伝子はこれまでゲノムが解読された動物の中で最多となるそうです。甲殻類では、ミジンコのゲノムが初めて解析されたそうです。ゲノムのサイズは人間の7%程度にもかかわらず、たんぱく質を作り出す遺伝子はぎっしりと詰まっていたというのです。ミジンコは、有性生殖と、自分のコピーを作る単為生殖を使い分けたり、魚など捕食者が出す化学物質を探知して防御のトゲを増やしたりして、環境に適応しているそうです。遺伝子の多さはこうした適応能力に一役買っている可能性があるそうです。ということは、人間は適応能力は平凡な生物ということになるのでしょうね。生命とは不思議なものです。
メタボリックシンドローム。非常に耳障りな言葉ですね。多くの方が悩んでいると思います。生活習慣病の代表的な形でもあるので、何とか生活習慣を改善して、メタボリックシンドロームから脱出しよう、あるいはメタボリックシンドロームにならないように努力されているのだと思います。でも、メタボリックシンドロームになりやすい人とそうでもなさそうな人っていますよね。その差はどこにあるのでしょうか。単に新陳代謝の違いでしょうか?それとも消化吸収の差でしょうか。でも、そうした差はどこからくるのでしょうか?その台頭の1つになると考えられているのが、胎児の時の低栄養が、成人後に肥満や高血糖、脂質異常、高血圧を高率に来し、心血管病による死亡率が上昇するというものです(MSN産経ニュース)。マウスの実験では、胎内で低栄養にすると、出生後、中枢神経がレプチンと呼ばれる物質の作用を受けにくくなり、食欲の抑制が効きにくくなり肥満になることが分かってきました。また、ヒトでも低栄養状態にあり発育不全の胎児で、糖尿病に関連し血糖値を下げるインスリンの働きを良くする善玉のアディポネクチンの濃度が低かったという実験結果もあるようです。逆に、妊娠時に太っていても問題があることが示唆されています。マウスの実験では、高脂肪の環境の胎仔は出生後に肥りやすい傾向にあるそうです。つまり、妊娠時の栄養状態は将来の生活習慣病を左右するものであるということですね。
毛髪の大本になる毛包幹細胞が作り出すコラーゲンが、脱毛や白髪を防ぐことが明らかになったそうです(YOMIURI ONLINE)。毛包幹細胞は、毛髪を作る角化細胞など各種細胞を製造・供給するそうですが、「17型コラーゲン」というタンパク質も作っているそうです。マウスの遺伝子操作してこのタイプのコラーゲンを作れないようにしたところ、生まれてから約半年後には黒い毛が白く変わり、10か月後までにはほとんどが抜けてしまったというのです。ということは、このコラーゲンをたくさん作れるようにする仕組みを開発すれば、脱毛や白髪の治療などが可能となると考えられます。実際、同種のコラーゲンを作る人間の遺伝子を、遺伝子操作してコラーゲンを作れなくしたマウスに導入したところ、黒い毛がふさふさと生えてきたそうです。コラーゲンは人工的に化学合成できませんが、コラーゲンを合成できた場合、そのコラーゲンを何らかの形で毛母細胞に供給できれば、毛髪がふさふさになるのでしょうか。でも、原因物質が判明したことは、朗報ですね。
入学前学習。これは大学入学予定者への事前学習のことです。この入学前学習での主流は、高校までの補習や論文の書き方などの指導というデータ(YOMIURI ONLINE)もあります。入学者の確保を優先する大学もあり、大学での学習を開始するのに不足すると考えられる、あるいはこれまでの学生で不足している科目や知識を学習させるというものです。松本大学では、近年の厳しい就職事情を踏まえ、入学前学習の段階からキャリア教育を行っているそうです(YOMIURI ONLINE)。一刻も早く学ぶ意欲に火をつけたいという大学側の意欲がうかがえます。これは、就職活動ガイダンスを受けると突然やる気を出す3年生の姿に接し、6年前から導入しているそうです。松本大学では、まず1月にAO・推薦入試の合格者を集め、在学生が授業の履修方法などを教えるそうです。そして、2月にキャリアカウンセラーの個別面談、入学直前に説明会を実施し、将来何をしたいか、そのためにどんな学生生活を送ればよいかの動機付けをするそうです。いわゆる、鉄は熱いうちに打ということですね。知識を与えるのではなく、モチベーションを高めるために事前学習を使うというのはよいかもしれません。
妊娠しても流産を繰り返す「習慣流産」の危険性を高める遺伝子が発見されたそうです(ASAHI.COM)。3回以上の流産を繰り返す「習慣流産」は全妊娠の1~2%とみられいます。こうした習慣性流産は染色体異常や感染症などがかかわっていると考えられていますが、多くは原因がわかっていないということです。血液が固まるのを防ぐたんぱく質である「アネキシンA5」に着目し、習慣流産の女性243人と、そうではない女性118人について調べたところ、流産を繰り返す女性ではアネキシンA5の遺伝子の6カ所で、流産しない人たちと比べて配列が異なっている割合が高かったそうです。配列が異なっている場合、アネキシンA5が十分に作られず、胎盤内で血液が固まりやすくなり、胎児が育たずに流産につながるというのです。ということは、この遺伝子を持つ人に抗凝固薬を投与すれば、習慣性流産を防ぐことが可能となるということです。こうした抗凝固薬はすでに広く使われており、今後は習慣流産の妊婦の遺伝子型を調べて配列の違いがあることが分かれば、流産を防げることになるということです。
視力が低い子供は高い子供に比べ、母親が見て「疲れている」と感じる割合が高いことが、ロート製薬の調べで分かったそうです(MSN産経ニュース)。調査は2010年8月、小学生の子供を持つ母親600人にインターネットで実施したそうです。それによると、自分の子供が精神的に「非常に疲れている」と感じる母親は全体の7・5%、「やや疲れている」が32・8%で、約4割が疲れていると感じていたということです。「自分が子供のときよりも、今の子供の方が疲労する要因が多い」と感じる母親は68・5%いたそうです。親から見て子供が疲れているというのはちょっと問題があるような気もしますが・・・・。視力別では、ランクA(視力1・0以上)で精神的に疲れていると感じるのは36%なのに対し、ランクB(0・9~0・7)42・6%、ランクC(0・6~0・3)42・7%、ランクD(0・2以下)52・5%と、視力が低くなるほど疲れが増すという結果だったそうです。これは何を意味するのでしょうか。謎ですね。
海外で使用されている薬品が、日本での承認が遅れる「ドラッグラグ」。副作用を考え、承認されるまで時間がかかってしまう傾向があります。ですが、海外と同じ時期に承認審査に入ればこうした「ドラッグラグ」は解消されるはずです。筋肉が衰える遺伝性の難病、デュシャンヌ型筋ジストロフィーの治療薬の効果を調べるため、英製薬企業グラクソスミスクラインが世界で同時に行う治験に日本も参加するそうです(MSN産経ニュース)。患者の数が少ない神経性難病に対して世界同時進行の新薬治験が行われるのは日本初だそうです。デュシャンヌ型筋ジストロフィー症病は筋肉細胞の骨格の維持に必要なタンパク質であるジストロフィンの欠損が原因です。なぜ欠損してしまうのかと言うと、このタンパク質の遺伝子の一部が異常であるため、遺伝子の読み取りがうまくできないことが原因です。そこで新薬は、遺伝子異常部分に隣接する部分を読み飛ばしてタンパク質を生成させるというものだそうです。これまで、オランダで2007年に歩行困難な4人の患者に投与したところ、成果があがったことが米医学誌に発表されているそうです。ベルギーを中心に12人の患者に行われた治験でも歩行の改善がみられ、副作用がみられなかったことが昨年10月、世界筋学会で報告されたそうです。こうしたデータを踏まえ、フランス、ドイツ、米国など最大18カ国の5歳以上の180人の患者に1年間にわたって新薬を投与し、効果をみる世界治験を計画しているというのです。日本人にも有効な新薬でることが期待されています。