健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ドラッグラグ

2011-02-01 08:11:39 | 研究
海外で使用されている薬品が、日本での承認が遅れる「ドラッグラグ」。副作用を考え、承認されるまで時間がかかってしまう傾向があります。ですが、海外と同じ時期に承認審査に入ればこうした「ドラッグラグ」は解消されるはずです。筋肉が衰える遺伝性の難病、デュシャンヌ型筋ジストロフィーの治療薬の効果を調べるため、英製薬企業グラクソスミスクラインが世界で同時に行う治験に日本も参加するそうです(MSN産経ニュース)。患者の数が少ない神経性難病に対して世界同時進行の新薬治験が行われるのは日本初だそうです。デュシャンヌ型筋ジストロフィー症病は筋肉細胞の骨格の維持に必要なタンパク質であるジストロフィンの欠損が原因です。なぜ欠損してしまうのかと言うと、このタンパク質の遺伝子の一部が異常であるため、遺伝子の読み取りがうまくできないことが原因です。そこで新薬は、遺伝子異常部分に隣接する部分を読み飛ばしてタンパク質を生成させるというものだそうです。これまで、オランダで2007年に歩行困難な4人の患者に投与したところ、成果があがったことが米医学誌に発表されているそうです。ベルギーを中心に12人の患者に行われた治験でも歩行の改善がみられ、副作用がみられなかったことが昨年10月、世界筋学会で報告されたそうです。こうしたデータを踏まえ、フランス、ドイツ、米国など最大18カ国の5歳以上の180人の患者に1年間にわたって新薬を投与し、効果をみる世界治験を計画しているというのです。日本人にも有効な新薬でることが期待されています。
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