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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

スタチンと筋肉痛

2009-12-20 06:28:43 | 研究
脂質異常症。以前は高脂血症と呼ばれていた病態です。この治療薬として一般によく利用されているものに「スタチン」製剤があります。この「スタチン」は肝臓でのコレステロール合成を抑制する薬物です。したがいまして、血液中のコレステロール濃度が下がるという効果をもたらすことになります。脂質異常症の患者は世界的に見ても非常に多く、そのため「スタチン」は世界で最も売られている薬であるそうです。しかし、このスタチンですが、わずかですが副作用が見られる場合があるそうです。1~3%ぐらいの割合で、筋肉痛が見られるというのです。この筋肉痛は、骨格筋細胞の崩壊によるものらしいのです。どうして「スタチン」が骨格筋を壊してしまうのでしょうか。その原因については様々なことが言われいるようですが、その1つに小胞体ストレスという現象がかかわっているということです。小胞体ストレスというのは、細胞内で新しいたんぱく質を合成する時に、上手く正しい正確なたんぱく質が作れないといういわゆる「品質管理」が上手くいかない状態を指します。難しくなりますので、詳細についてはまた別の機会に述べることにしますが、「スタチン」はコレステロール合成を抑制するのですが、その結果最低限し必要なコレステロールの合成にも支障をきたしていいる状態と考えられるそうです。コレステロールといっても、様々な種類があり、それぞれ役割があります。「スタチン」はこうしたコレステロール合成に影響をもたらしますが、たんぱく質の合成にコレステロールの一種が関係しているので、「品質管理」が上手くいかなくなるということです。でも、こうした副作用が出現するのは100人に1人から3人ということですので、多くの患者さんにとっては問題ないとのことです。
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