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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

アルツハイマー病発症の仕組み

2010-04-16 06:26:14 | 研究
遺伝性でないアルツハイマー病の発症にかかわる異常たんぱく質が脳内で作られる仕組みが解明されたそうです(ASAHI.COM)。患者の95%以上を占める遺伝性でないアルツハイマー病では、関連する遺伝子に突然変異や異常がないにもかかわらず、遺伝子から「たんぱく質の設計図」が作られる際に必要な情報の一部が誤って取り除かれてしまい、神経細胞死を引き起こす異常なたんぱく質が生み出されるそうです。この研究では、神経細胞を低酸素状態にすると大量に作られる「悪役たんぱく質」が、正しい設計図を作る過程を妨げて一部の情報が欠落して、結果としてアルツハイマー病の発症につながる異常たんぱく質ができあがることがわかったそうです。
「たんぱく質の設計図」とはリボ核酸(RNA)のことだと思いますが、「悪役たんぱく質」が何であるかこの記事からでは分かりません。遺伝子(デオキシリボ核酸:DNA)からRNAが作られる(転写される)時かあるいは転写された後たんぱく質が合成される前までの間の調節時に悪さをするたんぱく質が作られる仕組みが判明したということだと思います。こうした異常たんぱく質が作られる仕組みを分子レベルまで明らかにしたのは初めてで、将来の有効な治療法につながる可能性があるということですが、治療法というよりむしろ予防法あるいは症状の進行を抑制する方法の開発につながるものと思います。現在のところアルツハイマー病の治療法はありません。今後の研究の展開が注目されます。
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