健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

夕方に働く遺伝子

2011-01-16 08:05:29 | 研究
腹時計。おなかがすくとおなかがなる。ヒトにはもともと時計が組み込まれており、それを体内時計と言っています。じつは腹時計は少し違うもので、実際の体内時計はほぼ24時間周期を持っており、眠くなったり、朝目が覚めたりする、というものに関係しています。この体内時計があるので、時差ボケが発生するのです。この体内時計に合わせて、ヒトの生理機能も周期的に変動しています。この体内時計は、ヒトだけでなく多くの生物が持っています。この体内時計が正常に働かないと、朝になっても起きれなかったり、夜になっても眠れなかったりしてしまういわゆる睡眠障害になります。特に、朝起きられないというのは社会生活を送る上で大きな問題ですね。この体内時計は、朝、昼、夜のどの時刻に遺伝子を働かせるかを決めるDNAの配列と、その配列につながって機能する約20の遺伝子による複雑な“設計図”で動いているそうで、なぜ特定の遺伝子が夕方に働くのかは不明だったそうです。夕方に働く特定の遺伝子は、昼と夜に遺伝子を働かせるDNAの配列の組み合わせによって制御されていることが明らかになったそうです。この遺伝子が働く時刻を人工的にずらすと、体内時計の動きが弱くなってほとんど止まりかけたり、約4時間も周期が延びて遅れたりすることも分かったというのです。私たちの身体は、遺伝子で制御されているということをあらためて実感しますね。
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