心筋と骨格筋はともに横問構造を持つ筋細胞から構成されています。しかし、その形態や構造は異なっています。そして、一番の大きな違いは、神経支配です。骨格筋細胞は1つ1つ神経が接続しており、1つ1つ制御されていると見ることができます。一方、心筋では1つ1つの心筋細胞に接続している神経はなく、組織として制御を受ける神経支配があるだけです。ですが、隣接する細胞同士が連絡しあうことで、上手に組織として機能しています。心筋から構成される心臓は言わずと知れた命にかかわる重要な臓器で、様々な疾患があります。例えば心筋梗塞など、場合によっては死に至るケースもあります。また、拡張型心筋症などは、心臓移植という選択肢もありますが、その他の治療法が十分に確立しているとは言えません。その拡張型心筋症の患者さんの心臓に、その患者さんの骨格筋から採取した骨格筋の幹細胞である筋衛星細胞(サテライトセル)を培養して、シート状にして心臓に移植することによって、心機能を改善させるという手術が行われたそうです。でも、これは初めてのケースではなく、随分前にも行われていました。では何がニュースかと言うと、外国人に対してこの手術を行ったということにあるようです。つまり、新しい産業(?)としての医療ツーリズムの可能性です。以前は、この手法の場合不整脈が出現するケースがあると聞いていたのですが、その問題はクリアされたのでしょうか。その点が気になります。
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