日本人のミネラルウォーターに対する感覚は、どちらかと言えば、ミネラルが豊富に含まれた自然水のことで、健康によい水のことと解釈しているのが一般的だと言えましょう。しかし、健康によいのかどうか、おいしい水であるかどうかは、ラベル表示からは判断できません。それぞれのメーカーのミネラルウォーターを調べて、個別に判断するしかないのです。
日本におけるミネラルウォーターの分類は、1991年4月、農林水産省が製造・販売会社に要請した「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」に沿って、品質が表示されています。それは、次のようになっています。
①ナチュラルウォーター
ナチュラルウォーターは、特定の水源から採水された地下水を原水として、沈殿、ろ過、過熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行わないもの。ナチュラルウォーターは加熱殺菌されていることです。
②ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターは、ナチュラルウォーターのうち、鉱下された地下水(地表から浸透し、地下を移動中、または地下に滞留中に、地層中の無機塩類(ミネラル成分)が溶解した地下水)を原水としたもので(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)、加熱殺菌していない生水のことで、酸素がたっぷり溶け込んでいるものです。
③ミネラルウォーター
ミネラルウォーターは、特定の水源より採水された地下水を原水とし、品質を安定させるために、ミネラル分の調整、ばっ気(酸素を供給する)、複数の水源から採水した原水が混合されているものです。
④ボトルドウォーター
ボトルドウォーターは、上記の①~③以外の飲用水のことをいいます。処理方法の限定はありません。水深200メートル以深にある海洋深層水からつくられる水は、この分類に入ります。
これらの分類は、ボトルに貼ってあるラベルの表示で見分けることができます。ラベルの品名欄から、どの分類のものか、原材料名から、使われている原水名の種類がわかります。
ミネラルウォーターは、ミネラル成分の表示は義務づけられていませんが、多くのメーカーは、消費者のニーズに応えて、硬度・pHも併せて表示するようになりました。ミネラルウォーターに表示されているラベルを見て、水の個性を読み取ってください。