「イチョウ葉エキス」は、眠気を覚まし、記憶力を高め、血液循環を改善するということで、認知症の改善、老化防止にも効果があるのではと、日本だけでなく、ヨーロッパやアメリカのサプリメント市場で売れています。
イチョウ葉エキスの成分は、クエルチニンやケンフェノールなどのフラボノイド、ジテルペン、ギンコライドやビルボライドなどのテルペノイド、ギンコノール酸、ポリフェノールです。
イチョウ葉エキスのどの成分が効いているのか、当初はフラボノイドと思われていましたが、ギンコライドやビルボライドにより脳を覚醒させ、気分をスッキリさせることがわかりました。
イチョウ葉エキスは、記憶を改善する作用だけでなく、記憶障害の進行を遅れさせる効果があるといわれています。それは、脳の血流量を増加させ、神経細胞の栄養源であるブトウ糖を増やし、ブドウ糖を燃焼させてエネルギーに変換させる酵素の供給を増やすからです。
また、イチョウ葉エキスは、神経細胞や血管を「活性酸素」という毒物からまもるからです。活性酸素は神経細胞や血管にダメージを与えますので、老化、ガン、脳卒中、心筋梗塞などの原因ともなっています。
イチョウ葉エキスには、抗酸化物質であるフラボノイドやポリフェノールなどが含まれており、活性酸素を分解して、神経細胞や血管を守ってくれるのです。
イチョウ葉エキスによる注意力や記憶力の改善効果については、ヨーロッパ諸国において研究が進められており、効果があるという報告がなされています。
イチョウ葉エキスの有効性について、ヨーロッパではイチョウ葉エキスの品質として「医薬品レベル」のものと「食品レベル」の2種類があり、有効性が報告されているのはすべて医薬品レベルのものなので、「食品レベル」のものまでもその有効性が認められるとはいいきれないのです。
特に、日本における国産のイチョウ葉エキスは医薬品でないので「医薬品レベル」の有効性があるとも言い切れないのです。
イチョウ葉エキスの副作用の代表は、皮膚炎や腹痛です。その原因はイチョウ葉エキスに含まれる「ギンコール酸」というアレルギー物質によるのです。
イチョウ葉エキスの商品化においてこの物質は取り除かなければなりませんが、加工段階での不徹底により含まれてしまうことがあります。
わが国では「イチョウ葉エキス」は食品として取り扱われている関係から、成分表示の規格基準が適用されません。
そのため、アレルギー物質であるギンコール酸が含まれている商品が出回っていることがあります。
消費者の対処の仕方としては、ギンコール酸が取り除かれていると明示してあるものを利用するとよいです。それ以外のものは含まれていると解釈するほうが安全です。
また、「イチョウ葉エキス」と薬との併用については問題となることがありますので、必ず医師などの専門家に相談されることです。