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ニコン・フルサイズミラーレスの「なぜ?」

2018年08月25日 | カメラ

8月23日、ニコンのフルサイズミラーレス「Z7」「Z6」が発表されました。(報道発表ページ)(特設ページ

ニコンのフルサイズミラーレス「Z7」(左)と「Z6」(右)=ニコンのプレスリリースより。

 

新マウントの採用

新たなZシリーズ。カメラの性能を云々するより前に重要なのは、大口径の新マウント「 Z マウントシステム」を採用したこと。

この新マウント採用で、ニコンによると、

『レンズ設計の自由度が格段に上がり、光学性能の驚異的な向上を実現。ニコン史上最高の開放F値0.95の極めて明るいレンズなど、多彩な高性能レンズを今後提供していきます。』

とのこと。

Z マウントレンズとしては当初は次の3本ですが…

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

早くも今後のレンズ・ロードマップが発表され、次々明るめのレンズが増えていく模様。

ニコンファンにとっては、大きな楽しみが増えたと言えるかもしれません。

 

すでに新レンズを使った人のレポートも出ており、そのなかで「35mm f/1.8 S」の描写が素晴らしいという声がありました。(『35mmの単焦点、恐るべし…』GIZMODO

ニコンの作例を見ても、滑らかで、落ち着いた雰囲気を出せそうなレンズです。玉ボケに輪郭はあるものの”素直なボケ”という感じで。

良いンズかもね~

F値を1.4でなく、少し暗めの1.8に抑えたのは、ミラーレスのコンパクトさを優先したためでしょう。

 

開発発表された「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」は、すごいインパクトがありましたが、AFが効かないマニュアルフォーカスなので、一般には向かないのでは。(おそらくツァイスOtus のように、ピントの合う面はカミソリのように薄く、少しでも外すとボケるはず)。

狙いは、ニコン最高級のレンズとして、海外メーカーや海外ユーザーに、ニコンの技術を“見せつける”戦略なのでは。価格も相当高価になりそう。

 

XQDカード 1スロットは疑問

新マウントの採用は、ニコンの将来性を感じさせるものですが、Zシリーズのカメラについては「?」と首をかしげさせるスペックもあります。

個人的に一番問題なのは、メモリーカードがXQDカードだけ、という点。

XQDは、読み書きは速いらしいですが(使ったことがない…)、あまり一般的とはいえないし、高い!

ニコンファンミーティング2018」が9月1日から、東京、大阪、名古屋など全国7都市で開催され、ミラーレス「Zシリーズ」はイベントの目玉。「Z7」を実際に使う撮影体験コーナーも用意され、データ持ち帰りもできるのですが、そのためにはXQDカードを持っていかなければなりません。

個人的な事情を言えば、XQDカードは持っていないし、実写データをパソコンに取り込むためのXQDカードリーダーもありません。思い切ってそれらを買ったとしても、ニコンやソニーユーザーでない限り、イベントのあと、使い道がありません。

「Zシリーズ」を試したい気はあるのに、XQDカードというのが大きなネック。

 

なぜ、D850 のようにXQDとSDカードのダブルスロットにしてくれなかったのでしょうね。

同じように感じている人も多いのでは…

 

プロの人はXQDカード採用はともかく、1スロットしかないことにガッカリしているようです。

日本で活動している人気写真家の Ilko Allexandroff さんは自身の動画で『プロが使うようなカメラなのに、メモリースロットが一つしかない。残念。』と、3回ぐらい繰り返しています。(NIKON Z7 & Z6!公式発表されたよ!すごいね!ニコンのカメラのスペック、Sonyとの比較など!ただ、カードスロット一つしかないなんて!Sony安心できたかな~【イルコ・スタイル#220】 )

 

もうひとつの「?」は、瞳AFが搭載されていないこと。「顔認識」ができるなら、できそうなのに。

さらにいえば、電池の持ちも良くありませんね~

撮影可能コマ数は、ファインダーのみ使用時:約330コマ、画像モニターのみ使用時:約400コマとなっています。

ミラーレスは電池をよく食うにしても…

一眼レフのD850なら「約1840コマ」でした。

 

とはいえ、ネガティブなことばかり言ってもしょうがありません。

魅力的な機能も満載。D850よりはるかに多いAFポイント(「Z7」は493点)、ファインダーを覗いたまま拡大表示してピントの確認がOKになりました。フォーカスシフト撮影後ピント範囲を確認できる[ピーキングスタック画像]も新搭載。動画でも4K UHDに加え階調豊かなニコン独自の「N-Log」採用など…

 

間違いなく、ニコンの高い技術をベースに、造り込まれた高級機ではあります。

40数万円(Z7)はチト高いですけど…

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関連記事

 ・ニコンファンミーティング2018

 ・『触ってきました「ニコン Z 7」』(デジカメWatch)

 ・『ニコンのフルサイズミラーレス「Z7」「Z6」を解説、記録メディアはXQDのみ』(engadget日本版)

 ・『ニコンの時代がくるかも:ニコンフルサイズミラーレス「Z7」ハンズオン』(GIZMODO)

 ・『Nikon Z7 ハンズオン:待望のニコンフルサイズミラーレス、米Gizmodoはどう見た?』(GIZMODO)

 ・『Nikonのフルサイズミラーレスカメラ「Z7」「Z6」を触った印象:ソニーの苦手な分野を磨きまくってきた』(GIZMODO)

 ・『待望のフルサイズミラーレス「ニコン Z 7/Z 6」』(日経トレンディネット)

 ・『ニコン、新マウント「ニコン Z マウント」対応の交換レンズ「S-Line」3種など』(価格.com)

 ・『ニコン、ミラーレス「共食い」覚悟 レンズ強み再参入 』(日経新聞)