今回は名詞です。それぞれの3行目以下には、私のひとり言がだいぶあります。
あまや(「いばらきの昔ばなし」)
納屋、物置
全国方言辞典では南部・福島・栃木・茨城とあります。「雨屋」なのでしょうか、もしそうなら、雨をしのぐ建物といった感じなのでしょうか。水戸で農家の蔵を見ていると、入口前あたりの屋根が広く作られているので、雨の時にもそこで作業ができる建物という感じもあるのかなとも思います。
えさばや(「いばらきの昔ばなし」)
魚屋
全国方言辞典を見ると、「えさば」だけでも魚屋という意味があるようです。「えさば」に通じる「いさな」という言葉には、クジラだけでなく、小魚という意味があるようなので、このあたりから来たのではないかなとも思うのですが…。
おし(ひ)とず(「内村町史民俗編」)
お手玉
全国方言辞典に「おしとつ」を、茨城・栃木でおてだまのこととあります。お一つ、お二つといった、お手玉の数え歌からきた感じがしますね。
きごや(「いばらきの昔ばなし」)
物置
木小屋は、大言海では「材木ヲ積ミオク小屋」とあります。木でできた小屋でなく、木を保管する小屋をいうようす。それが、物置や納屋の意味になっていったのでしょうか。
くね(「水戸地方の方言資料(1)」)
柵、垣根
全国方言辞典では「畑境の垣根」とあります。「杭根(くね)」と岩波古語辞典にありますので、語源はこのあたりなのでしょうか。大言海は、「(竹を)くねらせた籬(かき)」とみて、竹垣を想定したようです。
けえけえ(「いばらきの昔ばなし」)
百日咳
全国方言辞典には常陸水戸(常陸方言)として、「けいけい」、百日咳とあります。風邪による咳(せき)の表現に「けんけん」などがありますので、擬音語なのでしょうか。
ざいごっぽ{「水戸地方の方言資料(1)」)
田舎者
「在(在所)」には、いなかの意味があるようです。「こ(ご)」は所でしょうから、それに「水戸っぽ」のように「坊」がついてできたのでは…。
しおとうじ(「いばらきの昔ばなし」)
海水浴
「潮湯治」とういうことのようです。全国方言辞典では名古屋方言となっています。でも、広辞苑にもあるので、広くいわれたようにみえます。「しおゆあみ」ともいうようです。海水浴は、健康によい湯治と見られていたようですね。
しめし(おしめ)(「水戸地方の方言資料(1)」)
おむつ
岩波古語辞典には、「湿(しめ)りをとる布、おしめ」とあります。古語が方言に残った例なのでしょう。
たんぱら(「いばらきの昔ばなし」)
気短か
全国方言辞典には青森・岩手県九戸郡・秋田県平鹿郡・宮城・福島・栃木県塩谷郡とありますが、茨城でもいわれたようです。単純に考えると、「短腹」ですが、どうなのでしょう。
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