お茶のルーツはご存じの通り中国で、紀元前2700年頃の神農時代に
薬草のひとつとして珍重されたと言われていますが、伝説に近いルーツ
かもしれません。
漢代(紀元前150年頃)には、薬草以外に嗜好飲料として上流階級に
広く飲まれていたという記述があります。
唐代(800年頃)になり、お茶を飲む習慣は一部の上流階級から全国の
富裕層も日常的にお茶を嗜むようになったようです。
しかし、茶木の栽培地域が限定されることから非常に高価な嗜好品で
あったそうです。
この頃に始まった遣唐使によって、日本にもお茶と同時にお茶の文化が
持ち込まれたと考えられ、上流階級や寺院に広がりました。
中国では、お茶を飲む作法を「茶芸」といい、日本では「茶道」といい
ます。当然、貴族や富裕層の嗜好品であり、お茶を飲む道具も芸術性が
求められ、「茶芸」「茶道」の道具が芸術品として、また美術品として
現在まで引き継がれています。
一般庶民がお茶を嗜むようになったのは、中国でも、日本でも200年
ほど前からで、日本では、お茶を飲む作法を「茶道」といい、茶道の
作法を通して、立ち居振舞いや、社会生活での道徳性といった、精神修養
の場ともなって来ました。
日本における茶葉の生産量は、静岡県と鹿児島県が2強で、福岡県、京都府
埼玉県がそれに続いています。
そして、前振りが長くなりましたが、今日の本題「無茶苦茶も飲めば目が
覚めます」に入ります。
中国の飲茶のひとつに、同じお茶でも入れ方の違いで苦茶、甜茶、回味茶
というのがあります。
まず「苦茶」は、よく煎った茶葉で入れた一番茶で、苦味のきついお茶で、
目覚めに飲むそうで、苦味と渋味で体も心地よく目覚め、活力が湧くそう
です。次に「甜茶」ですが、茶葉と生姜を熱湯で淹れたお茶で、体を温め
ます、一般的には食後のデザートとして飲まれているそうです。
そして最後の「回味茶」は、茶葉と生姜に加え、たっぷりの蜂蜜、山椒の実、
シナモンを熱湯に入れ、よく煮出したお茶で、滋養強壮に加え疲れを癒す
そうで、夜のお茶とも言われているそうです。
このように、同じお茶でも入れ方によって、朝、昼、夜と飲み分けることも
お茶の楽しみ方のひとつと言えます。
皆様も、茶道具を揃え、立ち居振舞いと道徳を考えながら、お茶を飲むのも
楽しいと思います。
ちなみに、中国のプアール地方の有名なプアール生茶は、350gの塊が
12~15万円程するそうですが、中国のお金持ちは4等分に割りすべて
を袋に入れて、煎じて毎日飲んでいるそうです。
高価な生茶でなく、少しは安価な熟茶でもいいから、プアール茶を飲み
たいな。
ー おしまい ー