米国:民主、2知事選で完敗 オバマ旋風に陰り 来秋中間選挙に暗雲
【ワシントン小松健一】米南部バージニア州と東部ニュージャージー州の知事選、ニューヨーク州選出の連邦下院議員補欠選挙が3日投開票された。新人同士の一騎打ちとなったバージニア州では共和党の前州検事総長、ボブ・マクドネル候補(55)が民主党の州上院議員、クレイ・ディーズ候補(51)を大きく引き離し当選を確実にし、ニュージャージー州でも共和党新人の前州検事、クリス・クリスティ候補(47)が民主党現職のジョン・コーザイン候補(62)を破った。
オバマ政権の景気・雇用対策や医療保険制度改革を巡り、与党・民主党と野党・共和党の対立が深まり、オバマ大統領の指導力と求心力にも陰りが見え始めている。両州知事選での民主党の敗北は、10年秋の連邦議会中間選挙と37州の知事選に向けた大統領の政権運営にも影響しそうだ。
オバマ大統領が当選して4日でちょうど1年になる。今回の選挙は、これまでのオバマ政権の政策評価や、カリスマ性を政策の推進力としてきた「オバマ効果」を占うものとして注目されていた。
08年の大統領選と連邦議会選挙では、民主党が無党派層や保守層の取り込みに成功した。米メディアの出口調査によると、今回は保守層が共和党に戻ったうえ、無党派層も共和党に流れる傾向が出ており、オバマ効果の揺り戻しが起きている。
民主党の地盤とされるニュージャージー州ではオバマ大統領が5回、コーザイン候補の応援に駆けつけた。だが、州経済の悪化や汚職問題への有権者の批判を和らげることはできなかった。ニューヨーク州第23選挙区の下院補選では、共和党保守派が支援する保守系のダグ・ホフマン候補(56)が直前の世論調査で民主党のビル・オーウェンズ候補(50)をリードしている。
オバマ政権の経済政策に関し、NBCテレビなどの世論調査では不支持が支持を上回っている。