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「ツカむ!話術(パトリック・ハーラン)」という本はとてもオススメ!

2015年01月02日 01時00分00秒 | 
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「ツカむ!話術」という本は、お笑いコンビ「パックンマックン」のパックン(アメリカ人の方)が著者です。

 実はパックンは池上彰さんからの紹介で、東京工業大学で非常勤講師として「コミュニケーションと国際関係」を2012年12月から教えることとなり、それがきっかけで本書を出版することとなったようです。

 本書ではハーバード卒業まで培ったコミュニケーション技法と日本で得てきたものをまとめたもので、エトス・パトス・ロゴスなどの理論編や、スピーチ・プレゼン・ディスカッション・交渉・ディベートなどテクニックの実践編、巧みな話術に騙されないための思考法、そして最後にこれら話術を使ったパックンの自己紹介が具体的にあり、とても分かりやすく楽しめる内容となっています。

 「ツカむ!話術」という本は、話術を高めるポイントについて分かりやすく説明があり、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・東工大生に向けた授業で毎回連呼して、学生の皆さんに復唱させていた「この授業のモットー」が「自覚!自信!自己主張!」。
自覚:自分の立場、知識、目的、強み、弱みなどを把握した上で話そう

自信:自分には発言する資格があるだけではなく、相手が聞いて得するぐらい価値のある話ができるんだと信じよう!
自己主張:自分ならではの視点や考え方に誇りを持ち、自分の言いたいことをはっきり伝えよう!

・まずは話すときの姿勢。姿勢は話術の大切な一つの要素です。背筋を伸ばし、足を肩幅に開き、両腕は肘を軽く曲げて、ズボンの縫い目に親指が来るようにして立ちます(女性の場合はややスタンスを狭めに)。この姿勢だと聴いている人から落ち着いているように見えるんです。僕はこの姿勢を西部劇の中に登場する、銃で戦う人にちなんで「ガンファイターポーズ」と呼んでいます。そして話す時には、相手の目を見ること。大勢の前でしゃべる場合は、左右、上下に目を配ることで、皆がコミュニケーション対策であるということを示します。声の使い方も大事です。基本的には、ちょっと大きめな声で話しましょう。最初が小さめでどんどん大きくしていくのもいい手です。自信と勢いが増していくように聞こえますよ。それから声のメリハリ。飽きられないように、単調にならないように心がけましょう。例えば、強調したい箇所は大きな声で、「あなたにだけ特別に」という箇所は声を小さくしたり、また丁寧に説明したい所ではゆっくり話したり、畳みかけたい時は、勢いよく話したりする。これだけでも、やるのとやらないのでは話の印象が大きく違います。

・相手の話を聞くポイントは3つ。まずは相手の話をどう聞くか。人の話に相づちをうって、話を促して、うまく話を引き出せる人が相手だと、ついつい自分の話をしちゃいますよね。そして話した後には楽しかったという印象が残って、また話したいなと思う。まさに話し上手は聞き上手。そんな聞き手を意識することが一つ。二つ目は、相手の話の何を聞くか。相手の話をよく聞いて、相手が使っている感情表現や何度も出てくる言葉をチェックして、相手の価値観を理解することが大事です。そうすることで、相手が何を優先していて何を求めているのかが把握できます。三つ目は聞く姿勢。ゆったりとくつろいで、リラックスした雰囲気を出したり、少し前のめりで、相手の目をずっと見ることで熱い興味を示したりと、聞く姿勢もいろいろあります。

・日本の方の話で特に欠けていることが多いと思うのが、ディテールとストーリー展開。ディテールは具体的かつ細かい描写。「男が缶を置いた」より、「中年の長身の男が、ヘルシアコーヒーを美味しそうに飲み干してから、空き缶を社長の机の上に置いた」のように状況を細かく描写したほうが、面白さも信憑性も増します。データもディテールの一つとして有効に使えるもの。「多くの人が寒い中で待っていた」と言うより、「300mを超える行列で数千人が二日前からマイナス5度の寒さの中で待っていた」と言ったほうが情景がクッキリ見えますよね。次はストーリー性、つまり物語の要素。話全体にも、細かいところにもエピソードを盛り込んだり、起承転結の流れをつけたりするよう注意します。同じ情報でも、要点だけではなく、その前後に展開があると聞きやすいし、印象に残りやすいんです。例えば「私は映画「アルマゲドン」が好きです」と言われても「ふ~ん」で終わりますが、「「アルマゲドン」って観たことないけど、大好き!」と言われたら「えっ、観てないのになんで?」と聞きたくなりません?ツカみが利いています。その後に「数年前に、当時の彼氏と「アルマゲドン」を観ようとして、有楽町の映画館に着いたらその日は満席で観れなかったんだ。「じゃあ、どうしよう?」と話してた時、目の前に宝くじ売り場があって、映画のチケット代で適当に買ってみたら・・・100万円が当たったの!」と続けたら、たいていの人は引き込まれるでしょう。流れがあって、ディテールもある。その状況が目に浮かびます。聞き手は「で、その彼とはどうなったの?」と聞きたくなっていること間違いなし。「まあ、その彼氏とは別れちゃった。一緒に買った宝くじは当たりでも、男としてははずれだったんだよね・・・」といったオチもつけられますね。

・この本の最終目的は、人の心をツカんで、相手を動かす側に立つこと。すなわち意見を通したり、人を説得できるようになることが目的です。ただただ自分の主張を押しつけるのでは、相手の心はツカめません。相手の価値観や考え方を知った上で、”相手が望むような形で説得できる”ような話術を身につけることが大事なんです。一言でいえば、目指すのは3Kです。「気持ち・考え・行動」。話術をちゃんと活かせば、相手の気持ちや考えを変え、行動するように説得できます。そして最後のKである「行動」が話術の最終的な目標です。人を説得するときは、相手にとってほしい行動がありますよね。その目的を果たすためには段階を踏む必要があります。そのために知っておくべきなのが、気持ちと考えを変えるための話術。これができたら、高確率で相手の行動を変えることもできるようになります!

・エトスとは人格的なものに働きかける説得要素。話している人を信用しようという気にさせるような表現を指します。人格が優れている、品格がある、人柄がよい、センスが良い、面白そう、価値観が自分と一緒などの、その人自身の信頼性・信憑性などがエトス度を上げます。
パトスは、感情に働きかける説得要素。怒り、喜び、愛国心など、聞いている人に特定の感情を抱かせるような表現が、説得する上で大きな役割を果たします。
ロゴスは、頭脳に働きかける説得要素。その人の言うことを頭で考えて理解し、納得するというようなものです。だから論理性がある、理論的であるといったことでロゴスが高まります。一般にロゴスは論理による弁論という意味で使われます。でも僕は一見論理的に聞こえるけれど実際は論理に飛躍があるもの、それっぽく感じるというものも含め「言葉の力による説得要素」という意味でロゴスという言葉を使っています。
この三要素はアリストテレスの「弁論術」の中に書かれています。

・エトス度を上げるキーワードは、実績・経験・地位・正直・真摯・誠実・相手のことを思っている・親しみやすい・同じ価値観を共有している

・エトスを考える3つのポイントは、
(1)あなたは相手から見て、同じような価値観や目的を持った信頼できる常識人?
(2)あなたは問題の解決策を知っていそうな人?
(3)あなたは自分の利益ばかり考えないで、相手のことを考えて話している人?
これらに対して相手が全部イエスと思うようなら、相手からみたエトス度は100点!

・パトスを上げるキーワードは、同情・愛国心・怒り・憧れ・ストーリー・笑い・愛・恐怖・罪悪感。パトスアピールができていれば、相手が深く考える前に、こちらの話を鵜呑みにさせて動かしやすくなる場合があります。扇動者が愛国心や他国民、他民族に対する怒りや恐怖をあおって戦争や迫害を呼び起こす。高級ブランドがセレブ生活への憧れをあおってカバンや時計を売り込む。チャリティー団体が恵まれない子どもや災害に遭った人々に対する同情を誘って募金活動をする。お母さんが罪悪感を持たせて、子どもにご飯を残さずに食べさせる。パトスを使って人を動かしている例は数え切れないほどあります。

・相手に共感する、共鳴するということは、コミュニケーションにおいて非常に重要な要素です。自分の変化に気づいてもらってうれしいという気持ちも、自分にもできそうだと親近感を抱くのも、あるいは、自分もあんなふうになれたらなぁ、なりたいなぁと憧れるのも、そこにあるのは相手への共感、共鳴です。

・ロゴスのテクニックとしては、比較・比喩・例示・喩え話・対句・列挙・反復・呼びかけ・三段論法(大前提、小前提、結論の3つからなる推論規則)。ロゴスはまさに話術。枕詞を使ったり、時々体言止めを使ったりといった修辞法を用いることや、情景豊かな表現をすることによる巧みなストーリー展開も、ロゴスを高めることにつながります。ユーモアやジョーク、軽快な言葉遊び、言葉にリズムを持たせたり、韻を踏んだりと心地よさを出すこと、また日本なら5・7・5のリズムも、ロゴスにあたります。どうやって自分の話の内容をもっと相手に聞いてもらいやすく、伝わりやすくするか。どうやったらもっと面白くできるか。もっとインパクトを与えることができるか。それを、言葉の効果的な使い方という視点から考えるのがロゴスなんですね。上手にロゴスが使えると、それがエトスやパトスにも働きかけるわけです。例えば、巧みな言葉づかい、それ自体はロゴスのテクニックですが、それで笑いをとったら、面白い人に見えてエトス度が上がり、また喜びという感情を引き起こすパトス効果も生まれます。

・何かを表現する時に「3」という数字を意識するのは、皆さんもよくやっていることだと思います。そもそもアリストテレスなども使っていた伝統的な手法です。なぜかはよくわかりませんが、”3”というのは本当に不思議なほど便利なもの。話を聞いている側には気持ちいいリズムであり、頭の中で内容が整理しやすくなって、記憶にも残りやすい。3つのものを列挙する。3連発で並べて言うのも、簡潔で、リズムがよくてインパクトが残りやすい表現です。「うまい、やすい、はやい」牛丼の吉野家のキャッチフレーズです。出てくるのが早くて、値段が安くて、おいしければ文句なし。

・論理的に考えるのは悪いことではありませんが、論理よりも優れた言葉の力も忘れないように。主なテクニックとしては次のようなものがあります。
 ・簡潔な言葉で言い切る
 ・3の法則を使う
 ・韻を踏む。対比する。5・7・5調などでリズムを作り出す
 ・常識、固定観念をひっくり返す
 ・関心を惹きつけるために質問などの「呼びかけ」をする
 ・強調したり、記憶に残りやすくするために「反復」する
 ・大事なところを際立たせるために「比較」をする
 ・より具体的に示すために「例示」する
 ・理解を深めるために、別のものごとに置き換える「比喩」を使う
 ・複数のものを並べて対象化できるよう「列挙」する

・国家的な規模のコモンプレイスというのも、国によって大きく違います。僕も日本在住期間が20年を超えて、アメリカと日本、双方のコモンプレイスの違いがよくわかるようになりました。
 ・安全性
 ・元気
 ・マナー
これらは日本国民のほぼ全員が持っているコモンプレイスです。「安全性」。何ごとも安全第一、日本では「安全」であること、「安心」できることは非常に重要なこと、一日に何回も聞く言葉です。しかし、アメリカでは、安全・安心・セーフティとかセキュリティというのはそれほどみんなの共通認識として上位にランクインしません。アメリカでは安全であることよりも、「自由」であること、「自立性」が保たれていることが重視されます。

・スピーチで自信を持つためにも話す内容のプランをしっかり考えておきましょう。以下のチェックリストはエトス・パトス・ロゴスを活かせているのか確認できるものとなっています。
 ・ツカみにインパクトはありますか(ロゴス、エトス)
 ・テーマについて話す「資格」があると感じてもらえるようなあなたの経歴は盛り込めていますか(エトス)
 ・聞き手に合わせた内容になっていますか(エトス、ロゴス)
 ・問題を取り上げる焦点や角度が有利なフレーミングになっていますか(ロゴス)
 ・ストーリー展開ができていますか(パトス、ロゴス)
 ・メリハリの利いたディテール描写はできていますか(ロゴス)
 ・愛国心・怒り・恐怖・憧れなど、目指している行動に合わせた感情を引き立てていますか(パトス)
 ・そこに集まっている人の共通認識が反映されるコモンプレイスを使っていますか(エトス、ロゴス)
 ・(自虐ネタなど)笑いの要素はちりばめられていますか(エトス、パトス、ロゴス)
 ・聞いてよかったと思えるような知識やデータが盛り込まれていますか(ロゴス、エトス)
 ・あなた自身の体験が入っていますか(エトス)
 ・対比、例示、比喩などで分かりやすい説明ができていますか(ロゴス)
 ・頭に残るキャッチャーなフレーズは入っていますか(ロゴス)
 ・3連発や75調のリズムのいい表現を要所要所に使っていますか(ロゴス)
 ・聞き手の敬意や憧れをかきたてる内容ですか(パトス)
 ・ピリッと引き締まった締めになっていますか(ロゴス)
 ・質問したりして聴衆とからむ(エトス)
 ・聞き手の人たちをほめる(エトス)
 ・自分の前後に話をする、他の話し手をほめる(エトス)
 ・予期される質問や反論についての見解を用意しておいてツッコまれる前に言う(エトス、ロゴス)

・エトス・パトス・ロゴスの3大要素の持つ説得力は対等なものではありません。有効さでランクをつければ、エトス>パトス>ロゴスです。相手をいい負かそうということばかり考えている人は、ロジックに走ろうとします。「僕は正しいことを言ってるんだ」という意識があると、傲慢になります。それではエトス、パトスを下げてしまいます。

・スピーチなどでエトス度を上げるには、そのためにきちんとした下原稿をつくっておくこと。ストーリーを準備しておくことはとても大切です。でもその上で、話している中でエトス度を上げるためには、機転を利かせることが重要です。あらかじめ用意したことだけ話すよりも、その場の状況に合わせて臨機応変に話題を変えたり脱線できる人のほうが、話し合っていてもただ聞いているだけでも楽しい。


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